今年度は、最終年度であり、「親水海浜における放射線量調査」、「東京湾の海底質中における放射性物質濃度のGISデータベース化」および「東京湾奥部における放射性物質の移動モデルの構築と変動予測」について実施した。 「親水海浜における放射線量調査」については、これまでどおり葛西臨海公園西なぎさ及び船橋三番瀬海浜公園三番瀬海浜について5月から11月まで毎月2回程度大潮期の干潮時に干潟域において放射線量の現地観測を実施した。その結果、三番瀬海浜においてはこれまで福島第一原子力発電所事故から経年的に平均的には減少傾向を示していたが発電所事故から8年目の2018年についてはこれまでにない高い放射線量(0.054μSv/h)が観測された。これまでにない高い放射線量値は、7月および8月に観測された。また、西なぎさ海浜においてもこれまでにない高い放射線量値が観測された。 「東京湾の海底質中における放射性物質濃度のGISデータベース化」については、過去に環境省や原子力規制委員会、あるいは地方自治体や研究者等によって観測された海底質中の放射性セシウム濃度を収集・整理するとともに、本研究における3次元的な放射性セシウム濃度の調査結果を基にQuantum GIS(QGIS)を用いて「東京湾セシウムGIS」を構築した。また、この「東京湾セシウムGIS」を用いて、東京湾奥部における放射性セシウム濃度の平面分布および鉛直分布について解析した。 「東京湾奥部における放射性物質の移動モデルの構築と変動予測」については、三番瀬海浜でこれまでにない高い放射線量が観測されたことを踏まえて、三番瀬海浜の西側に位置する真間川河口前面海域における放射性セシウムの移動モデルの構築および放射性セシウムの変動予測を実施した。
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