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2015 年度 実施状況報告書

越夏出来ない単年性アマモ場の群落維持機構の解明~種子供給だけで維持されるのか?

研究課題

研究課題/領域番号 15K00629
研究機関宇部工業高等専門学校

研究代表者

中野 陽一  宇部工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (10325152)

研究分担者 杉本 憲司  宇部工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40634176)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード種子流動 / 単年性アマモ場 / 種母 / マイクロサテライト
研究実績の概要

広島県竹原市の生野島および船島周辺のアマモ場を調査地域の中心として調査を行なった。調査は一定面積に存在するアマモの数を株ごとに分けてライントランセクト法によって計測し、生殖株および栄養株の株数を確認した。同時に葉の長さや幅、生殖株の持つ種子量も計測した。これらの計測結果及び周辺の地形データからそのアマモ場の種子保有量を推定た。
さらに、船舶を使用し、漂流アマモを観測した地点でGPS(ガーミン社)を用いてマッピングし、流れアマモを採取した。流れアマモの重量を測定し、栄養株の株数・長さ、生殖株は株の本数・長さと鞘・種子の数を調べた。また、採取した栄養株の葉からDNAの抽出、精製を行った。
生野島および船島周辺のアマモを6月、9月、12月に採取したところ、昨年度に比べ、多くの地点で1.5倍前後株数が増えていた。特に船島の種子の散布量が昨年、4.33×10^7個(藻場の総面積1.29km2)と過去より多く散布されていたからと考えられる。今年度は4.33×10^6個とかなり減っていた。
流れアマモの分布が生野島周辺で観察された。6月は任意に生殖株を2~3本サンプリングを行った。その結果、生殖株の長さ約112cm、1株あたり約13個の種子を保持した。生殖株が流れアマモ内に存在していることがわかったので、7月の調査では、流れアマモ中に生殖株(長さ約39cm)は全体で218株、サヤだけのもの1805本が存在しており、種子は4080個あった。9月以降、生殖株は存在しなかった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

現場調査により、生野島周辺と船島周辺のアマモ場の分布の年変動を観察した。漂流したアマモ内の種子の混入と、生野島―船島間の種子の移動経路がある程度推定された。マイクロサテライト用のサンプルを採取したが、精製に思ったより時間がかかったため、遺伝的な種子浮動を十分に解析できていない点がある。

今後の研究の推進方策

マイクロサテライト分析により種子浮動を調査を進める。来年度は、漂流アマモと流動特性が同じ浮体を用いて、GPSにより移動経路を明確にする。
それらの結果と分布調査の結果により、船島への種子の供給経路、供給量を定量的に明らかにする予定である。

次年度使用額が生じた理由

消耗品、謝金が予定よりも少なく研究が遂行できたため、差額が生じた。

次年度使用額の使用計画

消耗品に追加購入し、来年度の研究に充填する。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 浚渫土を利用した藻場生育基盤造成による 藻場生態系の長期評価2015

    • 著者名/発表者名
      杉本 憲司・中野 陽一・土田 孝・岡田 光正
    • 雑誌名

      土木学会論文集B2(海岸工学)

      巻: 71 ページ: I 1447-I 1452

    • 査読あり
  • [学会発表] アマモ類の生育分布に及ぼす海底地盤高と陸上地形の影響2015

    • 著者名/発表者名
      ○杉本憲司、本廣一紗、伊藤達哉、笹本健生、中野陽一 奥田哲士, 中井智司, 西嶋渉、岡田光正
    • 学会等名
      日本水環境学会
    • 発表場所
      信州大学 長野キャンパス
    • 年月日
      2015-09-14 – 2015-09-16

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公開日: 2017-01-06  

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