船島付近の浅場に形成されたのアマモ場は、2012年、2013年の調査では、越夏できないアマモ場であった。8月頃から衰退し始めて、12月頃には栄養株が見られなくなった。このアマモ場において、生殖株の本数と底泥中の種子の存在量に差が見られ、芸予諸島内の周辺のアマモ場から供給されていると考えた。 その一方で、2016年7月から10月にかけて一部が枯死している。その一方で、10月にはまだアマモの面積は変化しなかった。その結果から、越夏できるアマモが存在していると考えられた。2016年12月ではアマモ場の株数はさらに減少したが,地下茎が一部残った。2017年5月の調査では株数も多く葉の長さも30cm程度に成長していた。 繁茂期の漂流アマモの分布と同時期の潮流を調査した結果,芸予諸島内では広範囲で確認できた。諸島内の大規模アマモ群落周辺において東西流の他に南北流も存在しており、アマモが芸予諸島全体に漂流し,種子の散布されている。 船島付近の浅場にできたアマモ場においては、8月から株数が減少し始め、12~1月地下茎のみを残し、ほとんどの葉が枯れた。1~2月発芽成長,枯死しなかった地下茎の成長,4~5月新規加入株の成長,枯死しなかった株は分枝が進む,6~7月生殖株形成,8~11月種子供給されている可能性がある。また、地下茎が完全に枯死して無くなってはおらず,5月に分枝した株が2~3割認められたことから、冬季に枝分かれを繰り返して成長したと考えられる。したがって、越夏できない船島周辺のアマモ群落において,繁殖期と衰退期の面積調査,衰退期の残存株数を計測した結果、種子供給によって越夏出来るアマモ場と移行過程にあると考える。 また,生野島のアマモ群落が種子供給源と考えられる竹原市周辺3地点のアマモについて,マイクロサテライト分析を行った結果,近親交配を示唆する結果となった。
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