研究課題
培養実験で気温、照度などを変えてMicrocystisの増殖率を変化させたところ、細胞外多糖(EPS)は増殖率が小さい(0.15-0.25/日)時に多く合成され、その結果として群体が大きくなる傾向が見られた。太湖のMicrocystis群体の比重は0.975-0.998の範囲にあった。比重はM. ichthyoblabe が最小で、M. wesenbergii が最大だった。M. ichthyoblabeとM. aeruginosaの比重は夏に減少し、冬に増加する季節変化を示したが、M. wesenbergiiの比重は季節変化を示さなかった。平均的な群体の大きさは冬が最小(50μm以下)で、春から夏に増加し、秋に最大値(300-400μm)に達した。室内水槽模型試験および浮上力と乱流攪乱力のバランスによる数値シミュレーションにより、Microcystisの群体サイズが大きいほど、水の乱れに対する抵抗力が強く、浮上しやすいことがわかった。300-400μmの群体は、風速3.5 m/sで垂直乱流エネルギーKzが55 cm2/s2 に達して水面に集積できなくなり、アオコ状態を示さなくなった。太湖の竺山湾で、ケプラー流速計を湖沼底に設置し、表層流速と細胞のフラックスを計測したところ、風速1.5-2.6 m/sの範囲で水平集積がみられた。風速が1.5 m/s未満にときに水平集積が起こりにくかったのは、水平方向の運搬速度が小さかったためと考えられる。風速2.6 m/s未満の場合、約50%のMicrocystisが1 cmの表面に集積していたのに対して、風速4.5 m/sを超えると垂直方向に均等分布するようになった。1.5-2.6 m/sの最適風速では、表層1 cmの水の流れで細胞水平移動フラックスの60-80%を占めていた。
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