報告者は使用済み熱エネルギーを有効活用する蓄熱技術「低位熱エネルギー向け相変化蓄熱システム」を新たに考案し,エネルギー有効利用の観点から多段型相変化蓄熱式熱交換システムの設計指針の確立を目指した.その結果,以下の知見を得た.1.融解プロセスでは伝熱管周りから融解し,伝熱管上部,側部,下部の順に進展する.凝固プロセスでは伝熱管周りから凝固し,左右対称に進展する.2.融解・凝固時の出入口温度差は,流量が大きいほど小さい.温度効率は,流量が小さいほど大きい.蓄熱速度は流量が大きいほど大きく,放熱速度は流量による影響が少ない.3.廃熱エネルギーを資源とする本システムの熱工学的な性能を確証した.
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