本研究では,河川風を利用した小型風力発電の導入可能性とその発電量評価技術を確立することを目的とする.強い斜面風が卓越する気象学的条件を理論的に考察し,岐阜県内において飛騨川が流れる下呂市萩原付近が強い河川風が卓越する場所であると特定した.また,現地での集中気象観測や気象モデルによる数値解析を行い,この付近にはよく晴れた早朝に強い斜面下降風が卓越することが明らかとなった.また,堤内地では堤外地に比べて,特に河川の流軸に沿う風向時に同高度で平均1.5倍程度強い風速となることが明らかとなり,2倍程度の発電量(売電価格)差が生じる試算となった.
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