| 研究課題/領域番号 |
15K00637
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| 研究機関 | 佐賀大学 |
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研究代表者 |
有馬 博史 佐賀大学, 海洋エネルギー研究センター, 准教授 (90346875)
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| 研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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| キーワード | 熱交換器 / アルミニウム / 海水 / 海水淡水化 / 海洋温度差発電 |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、実海域での実験が開始された海洋温度差発電について今後期待される複合利用の一つである海水淡水化の実用化に向けて、新しい熱交換器材料の開発を目的としたものである。本年度は「海水淡水化装置を用いたプレート式凝縮器実験」を実行した。凝縮器には、平成27年度に製作し予備実験で用いた、3種類のコーティングされたアルミ合金製テストプレートを組込んだ。この3種類のテストプレートは、PEEK樹脂 (25μm膜厚および100μm膜厚) とWINKOTE (5μm膜厚) でコーティングされたアルミ合金製プレートである。各プレート4枚を1ユニットとして凝縮器に組込んで使用した。また、本プレート式凝縮器を組み込んだ海水淡水化装置を、佐賀大学海洋エネルギー研究センター伊万里サテライトと久米島サテライトに設置した。
平成28年度は、これらの3ユニットのテストプレートを用いた「海水淡水化装置を用いたプレート式凝縮器実験」について「水道水を原水とした淡水化実験」と「実海水(海洋表層水)原水とした実験」の2種類の実験を行った。これらの実験は、前者は伊万里サテライト、後者は海洋表層水および深層水が得られる同・久米島サテライトで行った。海水淡水化実験では、まずヒーターで任意の温度まで加温した「水道水」または「実海水(海洋表層水)」を真空状態にあるフラッシュ蒸発器に導入して蒸発させ、そこで発生した水蒸気のみを凝縮器に送り、冷水または海洋深層水で冷却して凝縮させて真水を精製するが、その過程において、プレート式凝縮器の水蒸気側と冷水(または海洋深層水)側の温度及び流量の測定を行ない、熱通過率および凝縮熱伝達率を計算により求め、伝熱性能について評価を行った。異なるユニットと様々な温度及び流量を条件として実験を行うことで、熱通過率および凝縮熱伝達率の比較および淡水化装置の性能を示す指標である淡水化率の比較を行った。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
平成28年度は当初の計画以上に進展した。申請書の「研究計画・方法」に記した平成28年度計画では「1.プレート式熱交換器の移設および設置作業、実海水での性能試験」および「2.プレート式熱交換器の海水淡水化装置への組み込みおよび性能評価試験」を予定として挙げていたが、１については平成27年度で遂行済みであったため、平成28年度は2についてのみ遂行した。また2の実験については、「研究実績の概要」で前述したように、実海水を原水とした海水淡水化実験に加えて、比較のために水道水を原水とした実験も行えたため計画以上の実験及びデータの取得ができた。以上のことより、「当初の計画以上に進展している」と判断した。
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| 今後の研究の推進方策 |
平成29年度は引き続き「プレート式熱交換器の海水淡水化装置への組み込みおよび性能評価試験」を行う。実験では、テスト用プレート式熱交換器を海水淡水化装置へ組み込み、伝熱性能、淡水化装置の連続運転時の装置の安定性、造水コスト、淡水純度に関する評価を行う。テスト用プレートおよび淡水化装置については平成28年度に製作したものを引き続き使用する。また比較のためチタン製のプレート式熱交換器を用いた実験も併せて行う。これらの結果を用いて複合利用におけるプレート式熱交換器の伝熱性能および海水淡水化装置の総合評価を行う。以上の研究は、伊万里サテライトと久米島サテライトで並行して行う。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
淡水化装置を構成する清水タンク用のパーツの破損によりその補修部品が必要となったために、その製作費を保留した。
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| 次年度使用額の使用計画 |
保留分は清水タンク用のパーツを購入する。また、平成29年度分については、より効率の良い淡水化装置への改良のための費用として当てることにする。
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