研究実績の概要 |
本研究は,公共性の高い自然保全地域(国立公園等)の民営化が世界中で急速に広まっていることをうけ,とくにアフリカ諸国における自然保全地域管理の民営化に伴う国際環境 NGO 等の資源管理に果たす役割の増大に着目し,1)環境政策における国際環境 NGO 等の役割の変遷を明らかにすること,2)フィールド(エチオピア)における地域社会への影響の実態把握,3)1)2)よりアフリカにおける自然保全地域管理の多様な担い手を整理し,自然資源管理のガバナンスを再検討することを目指している。
本年(平成30年度)は,過去3年間に実施した文献調査・フィールドワークで得られたデータを,1)保全地域の管理ガバナンスの多様化,2)成長産業である観光産業と野生動物保護/保全との関連,3)保護区域管理と対立関係にある地域開発の政治性と対立の乗り越え方に関して整理し,それぞれの特徴について分析をおこない,成果報告の準備にとりかかった。
これらの成果は,本年5月にドイツのマックスプランク研究所で開催された土地収奪に関する国際ワークショップ「Transformations and Visions:Responses,Alternatives and Resistances to Large-scale Land Deals in the Global South」および,2月中旬にインドのタミル大学で開催されたインド―日本二国間シンポジウムにて発表した。また,本年11月に東京でおこなわれた国際会議「三カ国民衆会議」を主催する側としてかかわり議論を深めた。さらに,電子ジャーナルglobal-Eにおいて観光開発に関するエッセイを執筆した。
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