研究課題/領域番号 |
15K00656
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
中村 秀規 名古屋大学, 環境学研究科, 特任准教授 (40463111)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 社会調査 / 市民参加 / 市民対話 / エネルギー環境政策 / 原子力発電 |
研究実績の概要 |
本研究は、原子力発電を含むエネルギー環境政策をテーマとする、原子力発電に関する立地自治体、電力消費地自治体、及び全国レベルでの無作為抽出型市民討議への参加意欲と、その前提となる、知ろうとする意思、対話しようとする意思との関係をインターネットパネル調査と統計分析により明らかにするものである。 平成27年度には、静岡県、愛知県で、各県とも20 歳以上69 歳以下の男女個人1,500 人を対象にして、インターネットパネル調査を実施した。多岐に渡る論点についてその背景にある事実、論理、反対意見、価値観、誰のための論点かについて知ろうとする意思については、原子力発電の安全性(過酷事故のリスクと対応;高線量・低線量放射線被曝のリスク)など14の事項について個別に尋ねた(4 段階尺度)。異なった考えを受け入れなくとも受け止め対話しようとする意思」については、「自分の思いを率直に伝え、他の人の考えを否定せずに冷静に耳を傾ける;結論を急がない」ことをルールとするワークショップ(国及び自治体レベルのそれぞれ)への参加意思と原子力発電を話題とする場合の一般的な実行可能性を尋ねた(3 段階尺度)。個人属性及び一般的なエネルギー環境政策への態度に関する事項についても尋ねた。 以上により得られたデータの統計(順序ロジット)分析の結果、市民対話への参加意思は、全国での対話に関しては、防衛との関係、エネルギー使用の優先順位、および政策移行の設定に関してより知ろうとする意思が強い人ほど、また原子力発電に関する対話への抵抗がなく、地球温暖化への関心があり、再生可能エネルギー起源の家庭電力利用への支払い意思額が高く、ソーシャルメディアを活用し、子育てや趣味や環境ボランティアでの社会活動を行い、学歴が高く、男性市民ほど、高まるといった知見が得られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通りの調査および調査分析を行った。
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今後の研究の推進方策 |
論文執筆、投稿を行うとともに、計画されている今年度の社会調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画時点よりも安価にインターネット調査の役務発注が可能となった。
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次年度使用額の使用計画 |
サンプルサイズの拡充または調査対象地域の拡充を検討する。
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