研究課題/領域番号 |
15K00658
|
研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
嶋崎 善章 秋田県立大学, システム科学技術学部, 准教授 (40454772)
|
研究分担者 |
工藤 周平 石巻専修大学, 経営学部, 准教授 (60549153)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 環境資源経済 / 情報システム / 行動経済 / 資源管理 |
研究実績の概要 |
本研究では、自然公園利用における情報の入手可能性の低さに着目し、適正な利用促進につながる情報提供と、管理者にとって効率的な利用情報収集を同時に可能にする情報システム構築を目的に、第1段階として実際の入手可能な情報量と公園利用量の関連性から情報の有無が利用にどのような影響を与えているのかを調査する計画を立てた。 計画に基づき、平成27年度は自然公園を訪れる際の情報源をインターネット、書籍などを利用して調査・分類し、次年度のアンケート本調査に先駆け、試験的に小規模の予備アンケート調査を実施してきた。 平成28年度は、調査で得たインターネット情報源を数値化したデータを用いて自然公園利用との関連性を分析した。分析結果より、インターネット上では積極的な公園情報の提供は行われておらず、公園利用との関連性も薄いことが判明した。また、公園に関するインターネット上の情報収集行動も公園利用との関連性が見られなかった。これら結果をまとめた論文を予定通り国際学会(Western Economic Association International, Portland)で中間発表した。学会でのコメント等を踏まえ、時系列データのデータ間隔を短縮しさらに詳細なデータを用いた場合、情報と利用の関連性に分析結果の違いが生じるか現在検証を進めている。 また、前年度の予備調査を基に作成されたアンケートを用いて計画通り公園利用者を対象に本調査を行った。場所は前年度予備調査で得た知見を基に、利用状況把握が困難で、かつ広範囲な活動が可能なことから情報要求量が多いと考えられる三陸復興国立公園を選定した。本調査は当初の予定よりもずっと近場の隣県で行うことができたため、その分の経費を次年度に行う研究の深化のために持ち越すことに決定した。本年度調査で十分な結果が得られたことから、次年度に予定している情報システムの提案に研究がスムーズに移行する状況となった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
国際学会(Western Economic Association International, Portland)における中間発表と現地アンケート本調査(三陸復興国立公園)をおおむね計画通り実行できた。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度で明らかにした自然公園利用者が望む情報の特徴を踏まえて、情報技術を応用して利用者にとってアクセスが容易で有用なリアルタイム情報の収集と提供が可能なシステムを提案する。計画の微調整で前年度から持ち越された経費は、提案された情報システムが実装可能か調査することに用いる予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初計画していた遠方の自然公園と比較して近距離にある三陸復興国立公園が現地調査に適している(利用状況把握が困難で、かつ広範囲な活動が可能なことから情報要求量が多いと考えられる場所)と判断され、対象を変更したことによる経費の節減があった。また、分担者が担当しているIT技術の応用については、情報の伝達手段の検討をさらに慎重に進める必要性が生じ、一部を次年度に持ち越した。
|
次年度使用額の使用計画 |
節減および持ち越された分の経費は、次年度に予定している情報システムの提案においてIT(IoT)関連器材の実装テスト等も視野に入れた研究の充実化に使用する予定。
|