研究実績の概要 |
本研究は、自然公園利用における情報の入手可能性の低さに着目し、適正な利用促進につながる情報提供と管理者にとって効率的な利用情報収集を同時に可能にする情報システム構築を目的に調査を行ってきた。研究では、平成27年度から28年度にかけて公園利用者を対象にアンケート調査を行った。平成29年度はアンケート調査の分析結果より自然公園利用者の情報源の特徴(情報入手の方法や頻度、どのような情報提供が望まれるのか)を明らかにし、情報技術を応用して利用者にとってアクセスが容易で有用なリアルタイム情報を提供できるシステムを構築した。さらに、システム構築の際管理者サイドのニーズにも可能な限り対応できるよう、中央および市町村レベルの国立公園管理者を対象に問題点等の聞取り調査を行った。調査では、公園利用者数や施設利用の満足度の把握等の充実が重要であることがわかった。 平成30年度は、新たに研究に参画した分担者とともにIT技術の応用によるインターネットのトラベルサイトにおけるクチコミ情報収集を試験的に行い、その有用性が確認された。これら調査および試験結果より、システム構築で主眼を置いていた公園利用・管理状況の、位置連動性、時間連動性、コンテンツ連動性の確保に関して当初の予定よりも発展的な成果を収めることができた。そこで、新たな成果を国際的な場で発信すべく研究期間延長を申請し受理された。 平成31年度はこれら当初の研究計画にはなかった新たな成果をまとめ、国際会議の場(9th International Conference on Monitoring and Management of Visitors in Recreational and Protected Areas, Bordeaux, 2018.8.)で発信した。
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