研究課題/領域番号 |
15K00659
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
箕浦 一哉 山梨県立大学, 国際政策学部, 准教授 (10331563)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 騒音政策 / サウンドスケープ |
研究実績の概要 |
本研究は,音環境が地域住民に共有されている点に着目し,地域住民が主体的に関与するローカル・ガバナンスを音環境マネジメントの領域において成立させるための方法について検討することを目的としている。この目的のために平成27年度は,主として文献収集,学会への参加,研究者・専門家との交流による情報収集を実施した。具体的には以下の通りである。 ・先進的な騒音政策が展開されている欧州地域において,国レベルおよび地方自治体レベルの政策実施の状況と課題について情報を収集した。欧州の騒音行政関係者から情報提供を受けたほか,図書館・インターネットを通じて研究論文や行政機関の文献資料の収集をおこなった。また,大学・研究機関等で近年実施されたサウンドスケープ関連プロジェクトについても調査した。それらの内容を検討し,より詳細に調べるべき論点および事例の絞り込みを進めた。 ・本研究は音環境の社会・文化的文脈を重視する立場を取っている。その点の参考として「文化的景観」の考え方に注目し,その理論と政策について調査した。文化的景観はユネスコ世界文化遺産のカテゴリとして用いられる政策的概念であるが,学術的にはランドスケープ研究の発展の過程でいくつかの意味で用いられてきたことが知られ,サウンドスケープ概念の検討に応用可能な知見が得られた。 ・シンボルサウンドの社会的受容に関する事例調査として,過去に実施した織物産業地域における調査結果等の整理・分析し,今後の調査方針について検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
準備が順調に進まなかったことから,平成27年度内に予定していた現地調査を次年度以降に延期した。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は欧州の地方自治体レベルの音環境ガバナンスの状況に関して,文献等による予備調査を進めた上で,事例を選定して訪問調査を実施する。また,地場産業を中心としたシンボルサウンドに関する国内の事例調査を実施する。調査結果および文献調査結果を検討し,理論的検討をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の進捗がやや遅れ,予定していた国内調査旅費が執行できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度に予定していた調査を28年度以降に実施する。
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