研究課題/領域番号 |
15K00659
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研究機関 | 山梨県立大学 |
研究代表者 |
箕浦 一哉 山梨県立大学, 国際政策学部, 教授 (10331563)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 騒音政策 / サウンドスケープ / 音風景 |
研究実績の概要 |
本研究は音環境が地域住民に共有されている点に着目し、地域住民が主体的に関与するローカルガバナンスを本当環境マネジメントの領域において成立させるための方法について検討することを目的としている。この目的のために平成29年度は主として以下の事項を実施した。 日本国内における音環境ガバナンスに関して、環境省が制定する「日本の音風景100選」の事例について検討し、関係自治体を対象とした調査を実施した。各自治体や地域住民がどのように選定された音風景を保全し活用しているか、その実態について包括的な知見を得ることができた。調査結果の一部を国際学会で報告した。また、兵庫県北播磨県民局が実施する「北播磨の音風景」選定事業についての事例調査、東日本大震災後の音環境に関する事例調査を実施した。そのほか過去に実施した事例調査結果の分析をおこなった。 欧州における音環境ガバナンスに関して、前年度にオランダおよびフィンランドにおいて実施した事例調査の結果の整理を行った。そのうちフィンランドで実施された2件のサウンドスケーププロジェクトは、「日本の音風景100選」事業に影響を受けて実施されたものでありながら、日本とは異なる事業方針にもとづき独自の成果を上げたものであることわかった。調査結果の一部を国内学会にて報告した。 上記の事例調査のほか文献等の調査を実施し、それらの結果をふまえて音環境ガバナンスに関する理論的考察を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に予定していた現地調査が準備に当初見込みより時間を要したことから2年目の実施となるなど、全体スケジュールが当初想定より遅れていた上に、平成29年度中の学内業務等の状況からその遅れを取り戻すことが困難であったため、補助事業期間を延長し、29年度に実施する予定であった調査出張及び研究成果の取りまとめを30年度に延期することとした。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までの調査結果をもとにして、追加の情報収集を行うとともに、事例調査結果の分析と理論的考察を進め、取りまとめる。
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次年度使用額が生じた理由 |
補助事業期間を延長し、29年度に実施する予定であった調査出張及び研究成果の取りまとめを30年度に延期することとしたことから、次年度使用額が発生した。調査実施および研究成果の取りまとめに必要な物品費、旅費、印刷費等に使用する。
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