研究課題/領域番号 |
15K00661
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
川端 美樹 目白大学, 社会学部, 教授 (50234117)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 環境問題報道 / メディアフレーム / 内容分析 / マスメディア |
研究実績の概要 |
今年度の研究実績の概要は以下の通りである。まず、昨年度行った内容分析の結果の分析を行いつつ、その結果の一部を2016年7月にイギリス・レスター大学で開催された国際メディア・コミュニケーション学会のEnvironment, Science and Risk Communication Working Groupにおいて発表した(発表タイトルは”Frame analysis of Japanese news coverage about COP21: How Japanese mass media communicated climate change and environmental issues”)。発表内容は、地球温暖化に関する国際会議COP21の開催時期に、日本のテレビニュース番組が行った環境問題報道のメディアフレームの内容分析結果である。また、主にメディアフレーム以外の分析結果を2016年9月に兵庫県の関西学院大学で開催された日本社会心理学会第57回大会において発表した(発表タイトルは「テレビニュースはCOP21をどのように伝えたか-マスメディアにおける環境問題報道の内容分析(1)-」)。昨年度行った新聞の内容分析結果についても分析を進めつつ、2017年6月~7月にイギリス・レスター大学で開催される国際環境コミュニケーション学会で発表の予定である。さらに、今年度予定していた深層面接については、2017年2月に10名の対象者に対し、半構造化面接による調査を行った。現在その結果を分析中である。さらに、昨年度国際メディア・コミュニケーション学会大会で発表した内容に加筆修正を行って、『目白大学総合科学研究』第13号に投稿し、掲載された(論文タイトルは「日本人の自然観と環境問題報道―新たなメディアフレームの提言に向けて-」)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度行った内容分析の結果をもとに、今年度は2回の学会発表を行った。また、昨年度の学会発表の結果に加筆修正を行い、研究論文として雑誌に投稿し、掲載された。成果発表については順調に進んでいる。一方、研究の実施については、これまでに取ったデータの分析などに時間がかかり、深層面接調査の実施が計画より少し遅れてしまった。そのため、面接調査の結果をもとに年度の後期に行う予定であった質問紙調査についても、時期が後ろにずれ込み、2017年度に行うことになった。
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今後の研究の推進方策 |
2017年度には、まず、内容分析および面接調査の結果を踏まえて、仮説及び質問項目を作成し、一般サンプル500名程度を対象とした質問紙調査を行う。実施は専門の調査機関に委託する予定であるが、委託費用が予算を上回る場合には、サンプルの人数を変更、または調査員による留め置き法でなくオンライン調査の可能性も視野に入れて計画の調整を行う。調査後、集計データを分析し、これまでのデータを加えて、総合的に環境問題報道の受容過程について分析・考察を行い、研究成果報告書を作成する。 成果報告については、学会においても発表を行う。すでに6月~7月にイギリス・レスター大学で開催予定の国際環境コミュニケーション学会においては発表が確定している。日本国内においても、現在のところ日本心理学会等において発表を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2016年度に予定していた深層面接調査の時期が少し遅れたため、一般サンプルを対象とする質問紙調査(専門調査機関に委託予定)が2017年度にずれこむことになり、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度予定していた質問紙調査を2017年度に専門調査機関に委託するため、次年度使用額として使用する予定である。
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