研究課題/領域番号 |
15K00665
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
勝田 忠広 明治大学, 法学部, 准教授 (80552463)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 原子力発電 / 福島第一原発事故 / 新規制基準 / 再処理工場 |
研究実績の概要 |
平成27 年度は、日本と米国の原子力安全規制の動向調査・分析を行った。まず日本の原子力安全規制の動向調査・分析については、原子力規制委員会による発電炉及び核燃料サイクル施設の新規制基準への適合審査会合について、全てウェブ上で公開されている資料や会議の動画を主たる対象として、海外でこの情報を収集し、米国での研究者(米国プリンストン大学科学と安全保障プログラム、NGO 等)の協力のもと分析を行い、課題を整理した。原子力立地自治体の避難計画等の状況についても、日本の研究協力者その他報道機関と一緒に動向を把握、分析し、結果は、米国の雑誌Bulletin of the Atomic Scientistsサイト上のOpinionとして、6月12日に"Why was the Sendai nuclear power plant restarted?"というタイトルで掲載された。また国際的な研究者グループによるアセスメントのプロジェクトWorld Nuclear Status Report 2015に参加し、同報告書内で福島事故のオンサイト及びオフサイトの状況Fukushima Statusを報告した。また核テロ対策や廃炉政策など比較的新しい国内の政策も動向を分析し、9月14, 15日の東京でのNautilus ワークショップで"Japan's new regulation standard problems for Nuclear Power Plants and reprocessing plant"のタイトルで報告した。さらに使用済み燃料の再処理問題について、核燃料サイクルの安全対策の評価を行い、Bulletin of the Atomic Scientistsのジャーナルに論文タイトル"The Rokkasho test: Has Japan learned the lessons of Fukushima?"として2016年5月号に掲載された。また米国の安全規制と比較した結果は、岩波「科学」において「福島事故5年後の原子力安全規制:現状と将来の課題」として掲載準備中である(5月17日現在)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
初年度の研究は米国に在外研究中であったこともあり、研究環境に恵まれ多くの成果を出すことが出来た。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定では2年目は欧州で在外研究を続ける予定であったが、1年間で終了することになった。そのため研究時間の確保、及び欧州での質の高い研究調査を十分に行えるように時間配分等に気をつける必要がある。その為、海外研究者との連絡を密に行い、スケジュール調整を十分に行うことで対応する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
米国プリンストン大学に在籍して研究を行ったが、その研究プログラム内での研究者とのディスカッション、メールや電話を通じてのディスカッションや調査が進んだため、交通費等を節約出来た。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り越しした予算は、次年度の欧州での調査、および日本国内での調査での交通費に活用し、また初年度の研究結果を使用したデータベース作成に使用することを計画している。
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