研究課題/領域番号 |
15K00670
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研究機関 | 福岡工業大学 |
研究代表者 |
藤井 洋次 福岡工業大学, 社会環境学部, 准教授 (10725716)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 再生資源貿易 / リサイクル / 中国 / 鉄鋼産業 / 素材産業 |
研究実績の概要 |
研究2年度である今年度は、先ず,初年度に整理したU.N. Comtradeの再生資源輸出入統計に新たなデータを補充して経年変化を捕捉した。さらに,UNIDO,Industrial Statisticsや主要国の現地統計を使って貿易構造の変化を生み出す背景について研究を進めた。 2000年代以降における再生資源貿易の伸び鈍化や減少は最大の輸入国である中国の輸入減少が背景にあることから,中国経済における各種素材需給についての調査を行った。そして,中国鉄鋼産業の過剰生産を背景とした鋼材輸出は周辺各国のリサイクル状況に影響を与えつつあるためベトナム,インドネシアおよび中国の鉄鋼需給について現地日系鉄鋼関連メーカーを訪問してヒアリングや意見交換を行った。その成果は,昨年度の調査の成果と合わせて「ASEANの鉄鋼需給構造分析」として論文にまとめた。さらに,中国における鉄スクラップ産業の状況を「中国廃鋼鉄応用協会「廃鋼鉄産業“十三五”発展計画」をめぐって」として論文にまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中国が国内の過剰生産を背景に輸出している鋼材は周辺各国の鉄スクラップの代替品として需要され,そのことは周辺各国の鉄スクラップ回収業や電炉企業に悪影響を与えていることを分析し成果を公表した。また,東南アジア諸国の鉄・非鉄リサイクル産業の動向を把握するために現地企業への訪問調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き,再生資源貿易およびその背景となる各国・地域の工業生産構造に関わる統計データの整理を進めるが,UNIDO, Industrial Statisticsの産業分類がバージョンアップしたため過去の産業分類との継続性を図る作業が必要になった。この作業を進めるとともに,国際リサイクル貿易に関わる現地調査によって内容を深め,研究成果を取りまとめたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
購入を予定していた統計資料の最新版の発売が遅れたため,年度内に予算消化ができなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
統計資料の最新版の購入などによって予算管理をしっかりを行う。
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