研究課題/領域番号 |
15K00673
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
北村 健二 金沢大学, 地域連携推進センター, 特任助教 (10733959)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 地域 / 環境 / 保護区 / 共有 / コモンズ |
研究実績の概要 |
2017年度に所属機関の変更に伴い、事例対象地域を新たに加えることが可能となったことから、各事例の基礎的な情報の整理をおこなったほか、これまでの研究の成果をまとめ、以下のとおり発信した。 第一に、コスタリカにおける民有地を含む包括的な保護地域政策に関する投稿論文の査読がおこなわれ、軽微な修正を経て採択された。これは、大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館の共同研究「保護地域制度が周辺地域の生業変化や資源化に及ぼす影響」グループとの対話をもとに執筆した論文であり、同博物館の研究報告特集号に、研究会の他の成果とともに2018年度に出版される予定である。 第二に、北海道東部の西別川流域の事例について、地域住民が主導する形で河畔林の再生や行政上の境界を超えた協働が実施されてきた過程を分析した論文を『Sustainability』誌に投稿し、査読を経て採択・出版された。 第三に、上記北海道の事例研究を、地域在来の道具や知識の積極的な活用が駆動要因となったことに焦点を当てた論考を『地域環境学―トランスディシプリナリー・サイエンスへの挑戦』と題する書籍の章として執筆し、出版された。本書は英語版も作成中であり、2018年度に出版予定である。 第四に、国連食糧農業機関が2011年6月に世界農業遺産に認定した「能登の里山里海」を舞台とした地域人材育成の取り組み事例について、共著者として執筆に従事した。上記『地域環境学』の章として出版されたほか、英語版も出版に向けて編集作業中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2017年度に所属機関が変わり、能登半島地域やフィリピンのイフガオ州などに業務のうえで関わることになったことから事例研究対象を拡大し、基礎的な情報の収集に努めた。
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今後の研究の推進方策 |
2018年度は、カナダおよびコスタリカにおける現地調査をおこなうとともに、成果をまとめることに注力する。その一環として、2018年5月にカナダで開催される「Community, Conservation and Livelihoods(地域社会、環境保全および生計)に関する国際会議」に参加するとともに口頭発表をおこなう。
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次年度使用額が生じた理由 |
2017年度に所属機関が変わり、事例対象地域を新たに加えることが可能となったことから、事例調査の計画を一部見直し、2018年度に現地調査を含む調査および成果のとりまとめを実施することとした。
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