景観色彩の誘導方法は数値で彩度の上限を決めるにとどまることが多く、 画一的な傾向にある。本研究の目的は景観法の趣旨である地域再生を目論み、 日本の景観を色彩から捉えた「環境色彩」を中長期的に改良する手法を開発することである。 景観計画の収集分析やシミュレーションを用いた印象評価実験を行った結果、環境色彩のコントロールには、周囲の現実の色をもとにしたコントロール手法のほかに、その街並の持つ文脈や歴史的背景を考慮した色彩コントロール手法が有効であり、それは一律に色相や彩度の数値のみで行うのではなく、色相ごとに面積も考慮すべきであることを示した。
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