研究課題/領域番号 |
15K00680
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
上野 武 千葉大学, キャンパス整備企画室, 教授 (30312929)
|
研究分担者 |
小篠 隆生 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (00250473)
吉岡 聡司 大阪大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80527268)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | サステイナブルキャンパス / キャンパス評価 / デザイン評価 / 環境デザイン / リ・デザイン |
研究実績の概要 |
1)タイムス世界大学ランキング評価2015-2016によるTOP100大学の内、今年度は先進的に環境負荷低減を目指しているスイスとドイツの大学に着目し、大学の規模・立地条件(都市型・郊外型等)・目的(文系・理系・総合等)・調査のしやすさなどに応じて、スイス連邦工科大学ローザンヌ校EPFL(郊外型・全体34位・工学12位)、バーゼル大学(都市型・全体101位・生命科学91位)、フライブルク大学(都市型・84位・人文科学56位)を調査対象大学とした。 調査候補の中から2度目の調査となるEPFLを中心に、キャンパスの空間タイプ・骨格・緑地状況・パブリックスペースの位置などを、同スケールのキャンパス配置図に記入し、空間デザイン評価のための定量的指標と定性的指標をリストアップしている。不足する情報は、研究協力者である、Philippe Vollichard氏(EPFL)から入手して完成度を高めていく予定である。 2)本研究メンバーが参加している日本建築学会大学・地域デザイン小委員会、サステイナブルキャンパス推進協議会の連携協力を得て、国内主要大学の環境デザイン評価カルテを作成した。 3)現地調査後、CED評価指標を定量的指標と定性的指標に分けて仮抽出し、レーダーチャート等での可視化を試みた。この結果と、作成した図面とを併せた、キャンパス環境デザイン評価のためのカルテを作成する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)計画調書では、今年度は北米の大学を中心に調査する予定であったが、ISCN(International Sustainable Campus Network)年次大会における情報交換によって、今年度はスイス・ドイツの大学調査を行ったほうが、効率的に情報収集が可能と判断し、北米の大学調査は、次年度以降に実施することとした。また、現地でのヒアリングと資料収集によって詳細情報が入手できたため、レーザー距離計を用いた計測は次年度以降に実施することとした。 2)CED評価のための定量的・定性的指標およびカルテの作成作業は、日本建築学会大学・地域デザイン小委員会、サステイナブルキャンパス推進協議会の連携協力が得られたため、順調に進めることができた。
|
今後の研究の推進方策 |
① キャンパスの環境デザイン(CED)に着目し、グローバル化、イノベーション創出、地(知)の拠点化を目指す我が国の大学にとって、CEDが重要な大学評価項目であることを、海外大学のキャンパス空間と成果(教育・研究・地域貢献等)の分析を通じて明らかにする。② CEDを評価項目とする際の、定量的・定性的な環境デザイン評価指標を明らかにし、大学評価に寄与するCED評価ツールを提示する。③ CED評価ツールと、申請者らが開発したSC評価ツールを統合し、既存大学キャンパスを創造的に再生するためのリ・デザイン手法を提案するとともに、大学評価基準に適用可能なキャンパスの評価指標を提示する。という3つの研究目的を達成するため、今年度の成果を元に、次年度以降の以下の手順で、定量的指標と定性的指標の相関関係を明らかにし、評価ツールの設計と、既存キャンパスの試験評価を行う。 1)作成した評価カルテを比較分析し、LEED-ND等の評価ツールも参照して、CED評価指標の精度を上げる作業を行う。平成28年10月に同済大学で開催予定の第2回Asian Conference for Campus Sustainability で研究成果の中間報告行ない、各国のキャンパス計画関係者と意見交換を実施する予定である。 2)1)の成果をもとに、評価指標に基づいた質問形式のチェックリストによる点数評価(MS Excel使用)と、それに連動するレーダーチャート形式図表、による総合評価CED評価ツールを作成する。点数評価シートは、図面上の個別データとリンクする仕組みを作り、一部の入力作業の効率化を図る。最終的に海外及び国内の大学キャンパス30校程度のCED評価を実施する予定。
|
次年度使用額が生じた理由 |
記録媒体等の購入を次年度としたため
|
次年度使用額の使用計画 |
記録媒体等の購入
|