研究課題/領域番号 |
15K00680
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
上野 武 千葉大学, 大学院工学研究科, 教授 (30312929)
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研究分担者 |
小篠 隆生 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (00250473)
吉岡 聡司 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (80527268)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | サステイナブルキャンパス / キャンパス評価 / デザイン評価 / 環境デザイン / リ・デザイン |
研究実績の概要 |
1)昨年度作成した評価カルテを比較分析し、LEED-ND等の評価ツールも参照して、キャンパス環境デザイン(CED)評価指標の精度を上げる作業を行った。 2)本研究メンバーが毎年参加している、ISCN(International Sustainable Campus Network)の2016年次大会において、ISCNの幹事メンバーである、Julie Newman博士(MIT)、Jack Spengler教授(ハーバード大学)、Ariane Koenig教授(ルクセンブルク大学)、Amy Ho教授(シンガポール国立大学)らに本研究の中間レビューを行い、具体的な評価指標の有効性や検討の方向性に関する議論と情報交換を行った。 3)本研究メンバーが参加している日本建築学会大学・地域デザイン小委員会、サステイナブルキャンパス推進協議会(CAS-Net JAPAN)の連携協力を得て、国内大学のサステイナブルキャンパス評価(ASSC)結果のデータ分析を行ない、本研究が目指すキャンパス環境デザイン(CED)評価システムとのデータ連係手法の検討を行なうと共に、レーダーチャート項目の検討を行った。 4)中国・山東交通大学で開催されたACCS(Asian Conference on Campus Sustainability )の第2回国際会議において、研究代表者が街づくりにおけるキャンパスデザイン評価についての発表を行うとともに、Hongwei Tan教授(同済大学)、Kim, Y. H.教授(韓国海洋大学)など日中韓のキャンパス計画者と評価に関する意見交換を行った。 5)サステイナブルキャンパス推進協議会(CAS-Net JAPAN)の協力を得て、昨年度実施した仮評価で高い得点を獲得した、日本工業大学、電気通信大学、琉球大学の3校を訪問してヒアリング調査を実施し、評価システムの実効性を検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)今年度は、本研究メンバーが毎年参加しているISCNの年次大会に参加したため、当初予定していた海外調査は来年度行うこととした。そのため、個別大学キャンパスの実測調査は若干遅れることになったが、それに代わってISCN幹事メンバーとの意見交換によって、海外大学の貴重なキャンパス計画マネジメント情報を収集することができたことは、大きな成果であった。 2)国内大学の情報収集とインタビューを行なうことができ、今年度の目標であったレーダーチャート形式図表によるキャンパス環境デザイン(CED)評価ツールの大枠を設定することができた。 3)ACCS(Asian Conference on Campus Sustainability )の第2回国際会議において日中韓3国におけるキャンパスデザイン評価システムへの取組状況に関する意見交換ができ、アジアにおける研究ネットワークをつくることができた。
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今後の研究の推進方策 |
以下の3つの研究目的、「①キャンパスの環境デザイン(CED)に着目し、グローバル化・イノベーション創出・地(知)の拠点化を目指すわが国の大学にとって、CEDが重要な大学評価項目であることを、海外大学のキャンパス空間と成果(教育・研究・地域貢献等)の分析を通じて明らかにする。②CEDを評価項目とする際の、定量的・定性的な環境デザイン評価指標を明らかにし、大学評価に寄与するCED評価ツールを提示する。③CED評価ツールと、申請者らが開発したSC評価ツールを統合し、既存大学キャンパスを創造的に再生するためのリ・デザイン手法を提案するとともに、大学評価基準に適用可能なキャンパスの評価指標を提示する。」を達成するため、研究最終年度は今年度の成果を元に、以下の手順でサステイナブル・キャンパス(SC)評価ツールと、CED評価ツールを統合するツールを開発する。これによって、キャンパスというフィジカルな空間の総合評価を環境デザインに適用させていく手法の検討を行う。 1)サステイナブル・キャンパス評価ツール(ACCS)と、前年度・今年度に検討してきたキャンパス環境デザイン(CED)評価ツールを用いて実行した評価データを分析するとともに、対象大学に追加ヒアリングを行って、創造的に既存キャンパスのデザインの質を高め,それを再生・維持していくための手法:リ・デザイン手法を明らかにする。 2)大学キャンパスというひとまとまりの建築群と外部空間の、高質な空間環境デザインを実現するための手法を提示することで、都市・地域の空間環境デザイン評価へと発展させていく研究枠組みを発見することを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
海外調査のための旅費を使用しなかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度は、これまで調査できなかった米国ポートランド大学および、東南アジアへの調査旅費として使用する。
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