• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

デジタルフォントの読みやすさに関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 15K00684
研究機関岐阜大学

研究代表者

山本 政幸  岐阜大学, 教育学部, 准教授 (80304145)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード書体デザイン / ユニバーサルデザイン
研究実績の概要

わが国の人口に占める65歳以上の割合は年々増加し、2020年には3割近くになるといわれ、深刻な高齢化社会を迎えている。視覚機能の低下は自然な老化現象だが、文字を読むことは円滑で安全な日常生活を送るために欠かすことができない。これまで、高齢者が2割を超えた2007年から新聞各社が大サイズの活字を採用し、メーカーは高齢者向けに大きい文字表示の機器を製品化するなど、各所で対策の事例が見られる。他方、2008年には教科書バリアフリー法が施行され、文部科学省が主導して学校での拡大教科書の普及を推進しており、学校教育における弱視者へのサポートが本格化しつつある。この2016年4月には障害者差別解消法が施行され、合理的配慮の提供が法的義務として求められる社会になった。
このような状況の中、2006年から日本のフォントベンダー各社が「UD(ユニバーサルデザイン)フォント」と呼ばれる製品を発表しているが、読みやすさがさまざまな要因と結びついているために、その性能を測るのは容易ではない。読みやすい文字に必要な要件とは何なのか、書体デザインの視点から、その指標の解明が求められている。
そこで本研究は次の3つを目指すこととした。1)書体における読みやすさの性能を測るための要件を整理する。2)物理的な機能だけでなく、慣れや美しさといった感覚がどのように読みやすさに作用するかを客観的にとらえる。3)液晶ディスプレイにおける読みやすい書体デザインの特徴や方法を探る。
初年度にあたる本年度は、文字の読みやすさに関する評価方法を検討することを目標とし、次の2つの作業を行った。1)欧米で行われてきた可読性実験に関する資料調査を行い、印刷物における実験方法の確認・整理作業を行った。2)文字のスタイルや組み方に関する基本的な状況を想定し、複数のフォントの性能を比較する準備として、紙に印刷された文字をもとに予備的検証を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成27年度は次年度の実験のための予備調査と確認作業であり、おおむね予定通りであった。

今後の研究の推進方策

平成27年度における予備調査に基づき、測定機器を用いた書体の性能評価と、アンケートによる印象評価を実施する予定である。

次年度使用額が生じた理由

次年度の物品費配分が購入予定の機器の価格を下回ったこと、加えて専用ソフトウエアと関連機器が高額なため、次年度に一括して購入できるよう調整を行った。

次年度使用額の使用計画

実験に必要な機器をソフトウエア、周辺機器とともに整備し、計画を遂行する予定である。

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi