研究課題/領域番号 |
15K00684
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
山本 政幸 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (80304145)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | フォント |
研究実績の概要 |
前年度に行った「レジビリティ」「リーダビリティ」「ヴィジビリティ」の歴史的研究を踏まえ、収集した資料をもとに、デジタルフォントにおける特性との関連性を探った。 欧文のアルファベットを対象とし、書体デザインにおける重要な構成要素であるセリフの有無、字画の太さとコントラストといった要件を中心に、書体のスタイルやファミリーと読みやすさとの関係を検討した。また、環境の明るさ、眼からの距離、読む速度、読者の印象など、異なる計測方法では、書体デザインによって異なる結果になることを確認した。 他方、文字の可読性と親しみやすさや認知に関連する問題もあわせて追及するため、今回はアルファベットを対象として記憶に残っている文字の形状を再現描画する調査をまとめた。その結果、字体はほぼ正しく再現できる(描ける)が各文字種の書体の多くは正しく描けない、字画の陰影やセリフの向きが曖昧、セリフ書体とゴシック書体の特徴を混乱しているなどの傾向が見られた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
収集した資料の整理と分析に時間を要しているが、遅れながらもまとまりつつある。機器の設置は完了し、ソフトウエアの不具合も解消でき、試験を重ねている段階である。
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今後の研究の推進方策 |
資料調査の結果をふまえ、継続して評価実験を行う。とくに、セリフの有無、文字の太さ、スタイル、縦横比などを中心に検討を加えて行く。
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次年度使用額が生じた理由 |
予備調査と準備はほぼ予定どおり進行しているものの、新規に導入した海外製の機器類が使用者にとっては馴染みが薄く、設置の段階で不具合等が発生し、また膨大な操作方法の習得にも時間がかかった。最終年度前半にはほぼ環境も整い、予備実験を繰り返しているが、期間を延長してより効果的な成果を出したいと考えている。
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