小さい文字サイズではゴシック体よりも明朝体の方が停留回数が少なく、読了時間も短い。ゴシック体については漢字が小さくて読みにくかったり、行間がせまく見えたりする傾向にあった。大きい文字サイズにおいても、ゴシック体よりも明朝体の方が読了時間が短い結果となった。大きなゴシック体は行間がわかりにくい一方、明朝体は行間が広く感じるなど、書体の特徴の差による印象の違いがみられた。しかし両サイズの中間のサイズではこのような評価が逆転し、わずかではあるがゴシック体の読了時間が明朝体よりも短くなった。通常の本文組版で、ゴシック体が明朝体と同様に読みやすさの性能をもち、通常の使用にも耐えうる可能性が示された。
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