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2016 年度 実施状況報告書

光源の色によって特徴付けられた色集合を利用した配色システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 15K00685
研究機関京都大学

研究代表者

石田 泰一郎  京都大学, 工学研究科, 准教授 (90232305)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード色彩デザイン / 感性 / 色彩調和 / 視覚 / 色彩工学 / 光源
研究実績の概要

本研究課題は代表者による光源の色によって特徴付けられた色集合による配色調和の基礎研究を発展させ,人間の感性に基づいた工学的な配色方法の開発を目的とする。平成28年度の研究実績の概要は下記の通りである。
1. 光源の色によって特徴付けられた配色の視覚的感性データの分析
光源の色によって特徴付けられた配色が与える視覚的感性の実験によって得られた結果を多角的に分析した。配色に含まれる色の属性(明度,彩度,色相,L*, a* b*等の測色値)の記述統計量を算出し,それらと視覚的感性の評価の相関を分析した。また色集合の統計的な特徴として分布の偏りや分布の軸の方向などの特徴量を抽出し,視覚的感性との相関を分析した。配色が与える視覚的感性の評価値は,配色に含まれる色の単一の記述統計量とは明確な相関は見られなかった。一方,配色に含まれる色の色空間上での分布形状の特徴(偏り,主軸の方向など)とは正の相関が確認された。
2. 光源の色によって特徴付けられた配色による視覚的感性のメカニズムの検討
上記の結果に基づいて配色が与える視覚的感性を導くメカニズムを考察した。本研究課題の方法である光源の色によって色を特徴付けることにより,色空間上での色集合の分布に特徴的な傾向が生じることが考えられる。観察者がその色集合から生成された配色を構成する色が共有する分布の特徴を認知することができれば,それに応じた特有の視覚的感性が導かれるのではないかと考察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成28年度に計画していた下記の研究内容を実施することができた。
1. 光源の色によって特徴付けられた配色の視覚的感性データの分析
2. 光源の色によって特徴付けられた配色による視覚的感性のメカニズムの検討

今後の研究の推進方策

研究計画に従って下記の研究内容を推進する。
1. 光源の色によって特徴付けられた配色による視覚的感性のメカニズムの検討
光源の色によって特徴付けられた配色による視覚的感性を導く色の特徴量の検討をさらに進展させる。
2.光源の色によって特徴付けられた配色の応用
配色に対する視覚的感性の基礎データ,説明モデルに基づいて,それらの色を具体的な対象物の配色に適用し,その心理評価実験を実施する。配色対象としては,幾何学的パターンからインテリア空間などをコンピュータグラフィックス等で生成し,それらに対する配色数,色の選択,特徴付けの光源の色などを変数として,どのような視覚的感性が導かれるのか検討する。
以上の研究結果に基づいて,配色デザインを支援するシステムを総合的に考察する。

次年度使用額が生じた理由

色と輝度の2次元分布の計測については,所属する大学の共同利用のために導入された高性能の計測機を利用できることになり,簡便な2次元色彩計測を自作するための物品購入の必要がなくなった。そのため次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

最終年度においては国際学会に大学院生と共に参加し,研究成果を発表する予定である。そのための追加の旅費等が見込まれる。また実験実施のためのプロジェクター,計算機なども現有機器を更新する必要があると考えられ,追加の機器の購入を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)

  • [学会発表] 照明光源の色によって特徴づけられた色集合を用いた配色の視覚的印象評価2016

    • 著者名/発表者名
      杉岡宏輔,石田泰一郎
    • 学会等名
      日本色彩学会第 47 回全国大会
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2016-06-04 – 2016-06-05
  • [学会発表] Color and Light in our living environment: Exploring psychological effects of color of lighting2016

    • 著者名/発表者名
      Taiichiro Ishida
    • 学会等名
      The 3rd conference of Asia Color Association
    • 発表場所
      Changshu, China
    • 年月日
      2016-05-21 – 2016-05-22
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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