視覚障がい者にとって環境音や空間の響きは、場の状況を示す情報源である。また、音響福祉機器からのサイン音も大切である。バリアフリー新法の制定以降、公共的な場で音を用いた案内・誘導システムの数は増加した。一方で、それらに対する晴眼者による苦情もある。そのため、せっかくの音響福祉機器の音が過剰に小さくされたり、停止されていたりすることがある。 本研究では、音響福祉機器に対する認識調査、環境調和型サイン音の提案、明瞭度の高い空間設計手法のための資料整備を行い、晴眼者と視覚障がい者の要求の対立を解消し、両者の共存を図るうえで必要な視点を導出した。
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