研究課題
29年度は,28年度に達成した,デザインにおける「説明」と「解決」の問題に関する研究成果を,論文や内外の学会で発表・招待講演で発表した。(1) 各種の閉曲線が時間発展する動画を被験者に呈示し,小型生体センサーを用いて被験者の心電を測定して,自律神経活性度を計測した。この結果,単純な曲線や不規則な曲線を呈示した場合よりも,規則的でありながらさらに振幅が一定のルールで変化する曲線を呈示した場合のほうが,自律神経活性度が高くなる傾向が示唆された。これは,後者の曲線がより多くの「説明」をしており,それに人が関心を持つことを示唆している。この成果を,「視覚芸術と科学国際会議」で発表した。(2) 文字の配置の乱れと文章の読みやすさの関係を,同一文字の配列の中にひとつだけ似た形の別の字を入れて呈示し,それを発見するまでの時間を測定する実験で調べた。その結果,配置の乱れのパターンには,発見時間に大きく影響するものと全く影響しないものがあることがわかった。この成果を「欧州認知心理学会」で発表した。(3) 調和した配色を被験者に呈示した場合と,その配色に向かって動的に変化する配色を呈示した場合とでは,後者のほうが調和の印象を強められる場合があることがわかった。このことは,色彩配置の問題でも,音楽の和声のような「解決」という現象が存在することを示唆している。この成果を「色彩画像会議」で発表した。(4) 図形に色彩を配置する課題において,使われる色彩の範囲が図形によって異なること,対称な図形に配色する際の色彩の対称性が図形の向きに影響されることを,実験によって示した。この成果を「欧州視覚認知会議」で発表した。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 11件、 招待講演 6件)
International Journal of Cosmetic Science
巻: in press. ページ: in press.