本研究では、家計管理の課題・方法の検討を行った。家計管理能力増進活動を積極的に展開してきた地域生協の調査から活動内容の推移を整理した。家計消費の変動の分析からは、月別消費中実際に毎月支出されるのは4分の3であり、取り上げた15品目の耐久消費財買換えのため買換え頻度の90%タイル値で備える場合には毎年単価合計の0.3倍分の積立が必要であることが示された。夫婦間の家計管理タイプは、依然妻による一体的な管理が多いが、独立性の高い型の選択割合が増えつつある。家計への妻の貢献度の高い支出分担型では、家計簿記帳や意識的に貯蓄などを行う割合が相対的に低く、夫妻間の意識的な調整の必要性が示唆された。
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