研究課題/領域番号 |
15K00721
|
研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊藤 葉子 千葉大学, 教育学部, 教授 (30282437)
|
研究分担者 |
河村 美穂 埼玉大学, 教育学部, 教授 (00361395)
上野 顕子 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (20350952)
|
研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
キーワード | 外国につながる児童 / 家庭科 / ガイドブック / 小学校 / 教育支援 / 生活文化 |
研究実績の概要 |
本研究は、グローバル化の進展により、増加しつつある外国につながる児童への生活文化的教育支援を実践的に実現することを目的としている。この目的を果たすために、小学校家庭科の5年生の最初のガイダンスにつながり、2年間の家庭科学習の見通しをもてるような、さらに日本の生活文化への理解を深められるような家庭科ガイドブックを作成する。平成27年度は、まず、内容素案を作成し、対象となる小学生や指導にあたっている教師などを対象にヒアリングをし、この内容素案を改訂するプロセスを経て、家庭科ガイドブック(日本語)を作成した。また、この家庭科ガイドブック(日本語)の活用に関する研修のための検討もおこなった。このために、以下の3点を中心に研究を展開した。 1)研究会(一部、スカイプ会議)は月1回開催し、家庭科ガイドブックの内容素案を作成し、改訂するプロセスを経て、全22ページ(目次などを除く)の内容を決定し、文章を作成した。文章作成の分担は、伊藤;衣・住生活(7ページ)、河村;食生活(9ページ)、上野;家族(福祉)・消費生活(6ページ)とした。また、この研究会において、家庭科ガイドブックの活用法も検討した。 2)イラストの内容を決定し、依頼し、食生活の写真撮影をおこなった。家庭科ガイドブックの製本も依頼してある。 3) 国内学会(日本家庭科教育学会平成27年度大会:鳴門教育大学で開催)及び国際学会(ARAHE2015年度香港大会)で、家庭科ガイドブックの目的やこれまでの進捗状況を報告し、内容案や研修に関する意見交換をおこなった。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の予定では、家庭科ガイドブックの内容素案を作成し、ヒアリングを経て、改訂した結果、内容を決定し、分担部分の文章を作成した。イラストや写真撮影も終了し、現在、製本中である。また、研修のための検討もおこなった。計画通り、国内・国際学会で報告し、意見交換もおこなったことから、おおむね、順調に進展していると評価できる。
|
今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、家庭科ガイドブック(日本語)を製本する。英語・中国語にも翻訳し、それぞれの版を製本する。また、フィリピノ語・ポルトガル語への翻訳もおこなう。また、千葉県下で、外国につながる児童に関する問題状況が報告されていることもあり、研究会を通して意見交換をおこない、研修の方法についての検討を進め、教材を開発する。平成28年度までの成果を国際学会(IFHE韓国大会)で発表し、意見交換する。 平成29年度は、フィリピノ語・ポルトガル語版の製本をおこない、作成した日本語や他の言語の家庭科ガイドブックを需要の多い、愛知県・東京都・大阪府・神奈川県・埼玉県などを中心に教育委員会に送付する。研修のために開発した教材を使って、免許更新講習を利用して、研修を実施し、その教育的効果を集約する。これらの成果を国内学会(日本家庭科教育学会第60会大会)や国際学会(ARAHE日本大会)で発表する。また、国際学会(ARAHE日本大会)ではワークショップを開催予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初、日本語の製本(割り付け、印刷)までを予定した使用計画であった。しかし、内容を決定して、文章を何度も改訂し、イラスト・写真を含む割り付けするのに時間がかかり、印刷まではできなかった。そのため、平成28年度の最初に印刷をおこなうことになり、その印刷費用が次年度使用額に加算された。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度は、家庭科ガイドブックの日本語版の印刷を年度はじめに終え、すでに一部、翻訳作業に入っている他の言語の家庭科ガイドブックの印刷作業に入る。
|