研究課題/領域番号 |
15K00721
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
伊藤 葉子 千葉大学, 教育学部, 教授 (30282437)
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研究分担者 |
河村 美穂 埼玉大学, 教育学部, 教授 (00361395)
上野 顕子 金城学院大学, 生活環境学部, 教授 (20350952)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 外国につながる児童 / カテイカ / ガイドブック / 小学校 / 教育支援 / 生活文化 |
研究実績の概要 |
本研究はグローバル化の進展により、増加しつつある外国につながる児童への生活文化的教育支援を実践的に実現することを目的としている。この目的を果たすために、日本の小学校家庭科の教科書をもとに、日本の生活を紹介し、日本文化への理解への理解を深め、同時に日本語の学びを深めるようなカテイカガイドブックを作成する。 平成28年度は、平成27年度に作成された日本語版カテイカガイドブックを翻訳し、すでに中国語版・英語版は製本・発刊した。ポルトガル語版は最終校正の段階に入っており、フィリピノ語版は、翻訳作業を進めている。外国につながる児童たちにとってのガイドブックの教育的効果を測る尺度も検討した。また、外国につながる児童を指導している教師たちへの研修カリキュラムも開発した。具体的には、以下のように進めた。 1)スカイプなどを利用した研究会を月に1回程度開催し、翻訳作業の進捗状況に関する情報交換をおこなった。 2)上記の研究会において、外国につながる児童たちがガイドブックをどのように使ったほうがいいのか、その活用法を検討し、また、このガイドブックの効果測定の内容についても検討し、日本語版の尺度を決定した。 3)外国につながる児童を指導している教師たちへの研修カリキュラム(約90分)を開発し、その教育的効果を明らかにするための尺度を検討した。。 4)国際学会(第12回IFHE世界大会:韓国)でカテイカガイドブックの目的や内容を提示し、意見交換をおこなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成28年度は、カテイカガイドブックの日本語版の製本・発刊と、中国語・英語に翻訳し、それぞれの版を製本・発刊する予定であったが、計画通りに進んでいる。また、ポルトガル語・フィリピノ語への翻訳も予定通り進んでいる。また、教育的効果を測るための尺度も開発されており、日本語版は完成している。教師に対する研修プログラムも開発した。以上のことから、順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
平成29年度は、カテイカガイドブックのポルトガル語版とフィリピノ語版の製本・発刊をおこない、作成したカテイカガイドブック日本語版と他の言語版をあわせて、配布する。配布先は、それぞれの言語の需要の多い、地域や小学校を対象とする。あわせて、ガイドブックの教育的効果をみるために、質問紙(一部、翻訳が必要)調査も実施する。また、外国につながる児童を指導している教師たちへの研修を実施し、この教育的効果も測る。なお、成果を国内学会(日本家庭科教育学会第60回大会)や国際学会(ARAHE日本大会)で発表し、意見交換する。
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次年度使用額が生じた理由 |
フィリピノ語版の翻訳をお願いしている方に翻訳料を支払っていないためである。また、ガイドブックの教育的効果を明らかにするための分析をおこなっていないためである。
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次年度使用額の使用計画 |
フィリピノ語版の翻訳をお願いしている方に翻訳料を支払う。また、ガイドブックの教育的効果を明らかにするために、外国につながる児童がガイドブックを使った前後の変容を明らかにするためのデータ収集・分析をおこななう。
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