本研究はまず、共働きの妻の仕事と子育ての葛藤について検討した。家庭の要求と仕事の要求の両方に応えようとすると,タイム・バインド( 時間の板挟み)状態になる。この時にワーク・ファミリー・フィットの戦略を用いることの必要性を確認した。また、食事の後片づけや入浴の世話などの代替しやすい家事項目で夫の頻度が高い場合、妻の頻度が低くなる。子どもの遊びや話しの相手の項目は、夫の頻度と妻の頻度に代替関係はない。労働時間との関係では、食事の準備などの時間的に裁量の余地のない家事や、育児のような時間消費的な活動では労働通勤時間の長い夫の頻度が低い傾向にあり、時間的に裁量の余地のある家事では影響が少ない。
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