研究課題
保育施設は育児をする人のみならず療養中の人を社会的に支える観点から重要な社会資源の一つであり、専門職員の離職を抑制することは取り組まなければならない喫緊の課題である。そこで本研究では保育士の処遇や状況について縦断調査を行った。札幌市内に設置された保育施設に勤務する保育従事者を対象として2015年11月から2016年8月にベースライン調査を行い、以後2016年度、2017年度に2回の追跡調査を行った。調査開始する前に保育施設の施設長に研究依頼を行い、承諾を得られた施設で就労する職員に対して研究依頼を行った。保育士は研究依頼書を読み、研究参加同意する者のみ調査票と同意書を封筒にて札幌医科大学宛に返信をした。結果、保育士358人(17.9%)が研究参加者となった。自記式調査票は主に下記の項目で構成されていた;1)これまでの仕事の状況、2)現在の仕事の処遇、3)ライフスタイル、4)家族との状況、5)健康状況。抑うつの判定にはCenter for Epidemiologic Studies Depression Scale (CES-D) を用いた。本研究は札幌医科大学倫理委員会の承認を受けて行われた。結果は保育士においては男性10人(2.8%)、平均年齢36.9歳、現在の勤務先において平均勤務年数は6.8年であった。保育士においては119人(33.2%)がCES-Dにより抑うつと判定された。、追跡調査では職場に離職者がいた者は220人(80.3%)、仕事量が増えたと感じた者は110人(40.1%)、仕事の負担感を前年度より感じている者は131人(47.8%)であった。現在はフォローアップ調査のデータクリーニングを行っており、終了後速やかに論文報告する予定である。
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