研究課題/領域番号 |
15K00730
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
正保 正惠 福山市立大学, 教育学部, 教授 (00249583)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | クリティカル・リアリズム / 10代の親 / 社会的ハイリスク妊産婦 |
研究実績の概要 |
平成28年度においては、研究実施計画とはやや離れているが、方法論としての基礎的な研究を行った。10代の親の研究を進めるときに、NZで調査した枠組みのままでは、日本では受け入れられにくく、方法論の再検討をせざるをえなかった。行っている基礎研究は以下の2点である。①方法論としてのクリティカル・リアリズムに関わる研究。これは、我々が生きている社会である種の困難を乗り越えようとしていくときに、ロイ・バスカーによって創出された概念枠組みと方法論である。10代の親研究を我が国で進めていくときにもこの方法が適応できるのではないかと考えて、国内の研究会に参加し、また南アフリカのローズ大学で行われたリサーチスクールに参加し、発表も行った。タイトルは、”Japanese Home Economics Meets CR"である。②インタビュー等の質的方法を用いることが多いが、その方法としてのグラウンデットセオリーアプローチに関わる研究会を学内で組織し、そこで本研究の方法論を磨いた。 そして、国際家政学会において、父親のかかわりが母親にとってとても大きいということから、実践した”Practice and evaluation of the father-child camping program for the reduction of childcare anxiety among mothers”を発表した。 また、研究協力者と共に岡山大学に寄せられる「社会的ハイリスク妊産婦」のデータを6年分分析している。成果は平成29年度に母性衛生学会にて発表する予定である。 したがって、NZとオーストラリアで聞き取ってきているデータは、未発表のものが多いが、28年度に研究した方法論にのっとり、枠組みを練り直して29年度に公表していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
NZ等で聞き取った10代の親に対するサポートを日本でも行う方向へ持っていけないかと日本の研究者等にインタビューを行ったが、「まだそこまでは・・・」といった意見も多く、より現実的に研究を進めていくために、クリティカル・リアリズムという哲学、方法論を学ぶ必要を感じ、迂遠ながら基礎研究を行っていたため。 NZ等の調査データも、研究全体の枠組みを再検討したうえで、より論理的な分析を加えていきたいと思い、28年度はデータを公表していない。
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今後の研究の推進方策 |
①クリティカル・リアリズムの方法論を用いて枠組みの再検討を行い、②NZ、オーストラリア、(できれば北欧の実態も加えたい)の調査結果の公表(論文化)を行う。③現在まとめと発表の準備を進めている社会的ハイリスク妊産婦データの分析(特に10代の親を中心にして)を行う。③現在、本学の研究倫理審査委員会を通過した我が国の定時制高校・通信課程高校での教員への実態調査を行い、まとめていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度、NZとオーストラリア調査への旅費を、別の資金(大学の研究費等)で調達したため、次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
今年度は、様々な調査のまとめをしていくため、入力作業等のために人件費を予定よりも多く使っていく予定である。
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