研究課題/領域番号 |
15K00730
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研究機関 | 福山市立大学 |
研究代表者 |
正保 正惠 福山市立大学, 教育学部, 教授 (00249583)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | ネウボラ / 産科発 / 気になる母親 / 家庭科 / 定時制高校 / 家庭生活アドバイザー |
研究実績の概要 |
今年度は、直接本研究の対象であるNZの調査は行っておらず、本研究と関連するがさらに大きな枠組みの中で、主に4つのことを中心に研究を進めた。①福山市でもネウボラ(妊娠中からの継続的子育て支援)が始まったため、その発祥の国であるフィンランドとスウェーデン、日本の先進地に赴き、調査を行った。それらは口頭にて学内で報告し、論文化を進めているところである。フィンランドでは、10代の親を含めたすべての親たちに妊娠期から毎月サポートを行っており、平等に子育て支援を受けている。その実態と日本の現状を調査している。②岡山県の産科における「気になる母親」として届けられた事例の内容の分析を行い、10代の親が精神疾患に次いで多いことを検証した。これらは口頭発表を行い、論文化の準備を行っている。③学校教育における家族生活教育について、家庭科での提案を行い、国際学会におけるポスター発表、テキストの執筆を行っている。④我が国の定時制高校へのアンケート調査を行い、10代の親への定時制高校での教育の実態やあり方について分析をし、論文化の準備を行っている。 また、研究ではないが(一社)日本家政学会における家庭生活アドバイザーの資格化検討委員⇒認定委員として、資格化へのサポートを行った。講師としても関わると同時に受講生として資格を取ることができた。この資格により、10代の親を含めた社会教育における家族支援がよりやりやすくなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記に示した通り、NZをモデルにして研究を進めていたところ、フィンランドのネウボラを下敷きにした福山市の取り組みを進めるような研究に着手したため、10代の親のみではなく、すべての親をサポートする仕組みの構築の研究をしてきた。そのために、本研究は1年延長をさせていただいて、2018年度に成果を出していくこととした。
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今後の研究の推進方策 |
今年度、NZの政権が変わり、再度女性の首相となっているため、制度の変容を調査に行き、かつてのデータと比べながら成果を出していく。また国内の定時制高校での調査結果をまとめていく。さらに、今まで枠組みを超えて研究してきた成果との関連も含め、大きなまとめをしていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
福山市で取り組んでいるネウボラ(妊娠中からの継続的子育て支援)に関連する研究を行っていたため、研究内容はとても関係があるのだが、NZの研究が遅れていた。 本年度は、政権が変わったNZに再び調査に行き、政権が変わっても変動がないかどうかをインタビューによって確認してくる。そのため、多くをその旅費、インタビューのための費用に充てる予定である。
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