研究課題/領域番号 |
15K00739
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研究機関 | 京都ノートルダム女子大学 |
研究代表者 |
石井 浩子 京都ノートルダム女子大学, 生活福祉文化学部, 准教授 (70353141)
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研究分担者 |
前橋 明 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (80199637)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 幼児 / 生活習慣 / 夜型社会 / 身体活動量 / 体格 / 体力・運動能力 / 家族支援 / 健康づくり |
研究実績の概要 |
本研究は、3年間で、幼児の生活習慣調査や体格、体力・運動能力および身体活動量(歩数)の測定を行い、生活時間とそれらの関連性を分析し、夜型社会の中での子どもたちが抱える健康管理上の問題やその誘因を見いだし、改善策を模索するものである。 中でも、希望者には、個々の結果を整理して個別健康カードを作り、各家庭に子どもの健康情報を知らせるとともに、子どもたちが抱える健康管理上の問題点とその改善策をまとめ、改善すべき課題を保育園での保育計画に取り入れ、保育実践に結びつけてもらうことを目的とした。 平成27・28年度は、(1)研究の概要を説明し、調査・測定の許可を得た〔平成27年度〕1都1道2府12県と〔平成28年度〕1都2府11県の1~6歳までの保育園幼児(38,442名)の生活習慣調査と体格、体力・運動能力測定を実施し、生活状況や身体状況の実態を整理した。(2)生活習慣調査の結果は、質問項目ごとに作図・作表して、研究資料1と2にまとめた。そして、身体状況との関連から健康管理上の問題点を抽出し、分析した。(3)5・6歳の幼児を対象に、両手握力値測定(握力計)と、歩数計もしくは生活習慣記録機ライフコーダを用いた身体活動量測定を、大阪府と岡山県、広島県、高知県の保育園で実施した。その際の身体活動量は、起床してから就寝前までの1日および1週間の時間経過の中で把握した。(4) 夜型化した幼児の生活改善のため、家庭でできうる実践を行ってもらうために、調査で得られた結果を基に、個別に健康カードを作成して、園や保護者にフィードバックしてきた。 平成29年度は、幼児の生活習慣と体力・運動能力や身体活動量との相互の関連性について分析を加え、検討した問題改善策を、保護者と保育園、ならびに行政や保育・教育団体へフィードバックし、今後の保育計画の中に改善案を取り入れてもらう実践を展開することを予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画以上に、幼児の生活習慣調査は順調に進み、これまでに38,442名からの幼児をもつ保護者から回答を得た。そして、収集したデータより、作図・作表をしてまとめた。 なお、体格、体力・運動能力、身体活動量測定も予定通りに行っており、現在、測定結果をまとめ、生活状況との関連性を分析している。具体的には、幼児の生活状況と身体状況(体格、体力・運動能力、歩数)の実態とをクロスさせて、夜型化した子どもたちの抱える健康管理上の問題点を抽出・分析している。 そして、見いだした結果や考察した事柄を、保育園や保護者、行政や保育・教育団体にフィードバックし始めている。
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今後の研究の推進方策 |
今後も引き続き、幼児の生活習慣調査を継続することと、これまでに測定した体格、体力・運動能力、身体活動量(歩数)との関連性を詳細に分析していくこと通して、夜型化した幼児の健康管理上の問題点を把握し、問題の改善策と予防策を検討する。 あわせて、家庭や保育・教育現場における健康づくり実践や反省・評価までを反映させた、子どもたちのための健康づくりのシステム化を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
調査・測定のために、事前の打ち合わせや調査のための旅費として計画していたが、講習会会場や研修会・学会の予定を延長して実施することができ、旅費を抑えることができた。また、測定機器の不具合や破損が生じていたことにより、平成29年度に修理、追加購入する必要性があることから、物品費に当てる計画に変更した。
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次年度使用額の使用計画 |
継続して調査・測定をし、その結果の報告や学会発表する旅費に当てる。また、機器の不具合や破損状況を把握し、必要な修理・追加購入を行う。 生活習慣調査や測定結果報告、そして保護者や園に向けての問題改善の計画と実施に必要なリーフレットや冊子の編集・印刷・製本をしていく。
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