研究課題/領域番号 |
15K00743
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研究機関 | プール学院大学短期大学部 |
研究代表者 |
寺田 恭子 プール学院大学短期大学部, 幼児教育保育学科, 教授 (30369673)
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研究分担者 |
松久 眞実 プール学院大学, 教育学部, 准教授 (60586121)
野原 留美 千里金蘭大学, 看護学部, 講師 (90593749)
近棟 健二 種智院大学, 人文学部, 准教授(移行) (10610678)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 主体性 / 親と子の関係性 / 子どもの自尊感情 / 家族システム / 基本的自尊感情 / 子育て支援者 |
研究実績の概要 |
1.2016年度の研究成果における具体的内容 ①親の主体性分析シートの開発 親が自らの主体性を把握し、自らの主体性の良いところを認識する、または課題とする点を自覚することを目的として、主体性分析シートを開発した。0歳から2歳までの乳幼児を育てる親140名を対象とする調査分析を通して、「他者との関係性における自分との折り合い」「子どもとの関係性における自分の気持ちや思いへの過剰な関心」「親アイデンティティの発達」「基本的自尊感情」「社会的自尊感情」「期待、規範、理想」という6つの項目から構成される分析シートを開発した。 ②「ゆりかごラーニング」の29個のファイルの完成 親と子の関係性の安定をはかり、子どもの主体性を育てる29個の「しつけ」映像をつくった。その中身は大きく3部に構成される。「しつけの役割と原則」「子どもの自尊感情を大切にする」「親と子が生活場面を共有する」の3部構成である。その中でも中核にあるのは、「子どもの自尊感情」を大切にするしつけであり、親と子が体験を共有することによって育てられる「基本的自尊感情」を基盤にしている。 2.意義と重要性 ①親の主体性分析シートは、グループワークの中で支援者や他の親と共に取り組み、自分の強み、課題を分析することにある。そして、親がそれぞれ発表し合い、意見交換をしながら自己を見つめ直す点に意義がある。実際に研修で取り組んだが、グループワークが活発になり、メンバー同士の理解増進にも効果的であった。 ②行動理論に基づいた「しつけ」講習ビデオはあるが、子どもの自尊感情に焦点をあてた「しつけ」講習ビデオは未だないことから、子どもの心に寄り添う「しつけ」が期待できる。映像では「取り入れたいしつけ」と「避けたいしつけ」を対比させた。そのことによって、より具体的な自尊感情を大切にする「しつけ」を理解できると思われる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
「しつけ」の映像化が概ね完成し、また、グループワークの中で用いる「親の主体性分析シート」も完成した。親対象の研修会を3回実施し、「親の主体性分析シート」や「ゆりかごラーニング」の成果はある程度検証できたが、子育て支援者が活用する「ゆりかごラーニング」の検証は未だ実施していない。その検証としての現場としては、NPO法人「おひさま」の小規模保育所「ゆりかごハウス」と、発達障害のある幼児親子教室「にじくじら」、大阪市子育て支援事業などを考えている。
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今後の研究の推進方策 |
1.「ゆりかごラーニング」に音楽とナレーションを加え、DVD化する。 2.子育て支援者がグループワークで活用する「ゆりかごラーニング」を検証する。 ① 小規模保育所 ② 発達障害のある幼児親子教室 ③ 大阪市子育て支援事業 3.研究報告書作成
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者である松久分の分担金の8万円(前年度繰り越し金5万円、今年度3万円)が残額として生じた。松久の子育て支援現場で「ゆりかごラーニング」に取り組み、その効果測定をする予定であったが、「ゆりかごラーニング」の完成が遅れたため、それができなったために、生じた額である。
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次年度使用額の使用計画 |
大阪市子育て支援事業現場での「ゆりかごラーニング」実施、その効果測定に使用する予定である。
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