研究課題/領域番号 |
15K00745
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研究機関 | 和光大学 |
研究代表者 |
落合 信寿 和光大学, 付置研究所, 客員研究員 (90386649)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 視覚障害 / 安全 / 衣服 / 視認性 / 歩行 |
研究実績の概要 |
高視認性衣服(high-visibility clothing)とは、着用者の安全確保のため、蛍光色生地と再帰性反射材を用いて視認性を高めた衣服である。高視認性衣服は、近年、危険作業従事者のユニフォームとして国際的に普及が進んでおり、日本でも2015年10月に日本工業規格JIS T 8127(高視認性安全服)が制定されたところである。また、今日では、法制度や社会基盤の整備により、就労、就学など視覚障害者の社会参加、外出の機会が増えているが、その一方で、視覚障害者が被害者となる交通事故や、他の歩行者との接触、衝突による事故などが増加している。交通場面などにおいて自力での危険回避が困難な視覚障害者の安全確保のためには、高視認性衣服を応用することによって、比較的簡便かつ低コストで効果を上げることが可能になると考えられる。本研究は、視覚障害者の歩行安全を目的とした新しい高視認性衣服(ないし装身具)の試作開発を目的としている。その前段階として、視覚障害者の歩行安全に対するニーズ、外出行動、被服行動など、日常生活における行動特性を把握し、視覚障害者の特性に配慮した高視認性衣服の要件について検討する。また、視覚障害者の交通事故、対人接触事故やヒヤリハット事例などに基づき、視覚障害者の事故防止に効果的な高視認性衣服の種類や具体的仕様について検討を行う。本年度は、交通場面などにおいて視覚障害者が被害を受けた事故の傾向や特性を把握する目的で、総合法律情報データベース(TKCローライブラリー)を利用して、過去の交通事故などの裁判事例の中から、歩行中の視覚障害者が被害者となった事故事例を抽出し、それら事故事例の特徴について検討を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度は、既存の文献資料データベースを利用した視覚障害者の事故事例収集だけではなく、視覚障害者を対象としたインターネット調査を実施する計画であったが、年度途中での前所属機関の退職、それに伴う所属機関変更などの影響を受けて、本研究の遂行に費やす十分な時間や労力を確保することができなかった。その結果、調査対象の確保や調査内容の精査などが遅れて、当初予定していた調査を実施するまでに至らなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2016年4月より研究代表者の所属機関が変わり、視覚障害と関連の深い医学部眼科学教室に着任した。そのため、今後は、眼科学領域の専門性を加味して本研究の推進策を検討し、進捗の遅れを取り戻すべく適宜修正を図る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度は、文献資料データベースを利用した事故事例調査以外に、インターネットによる質問紙調査を実施する計画であったが、未実施のため次年度使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成28年4月より、視覚障害についての専門性を有する医学部眼科学の部署に所属が変更になったため、眼科学の専門性を加味した調査内容や実施の手順などを再検討したうえで、現所属の協力を得て、視覚障害者を対象とした調査の実施について検討を進める。
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