研究課題/領域番号 |
15K00757
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研究機関 | 京都府立大学 |
研究代表者 |
松原 斎樹 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (80165860)
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研究分担者 |
澤島 智明 佐賀大学, 教育学部, 教授 (40404115)
合掌 顕 岐阜大学, 地域科学部, 准教授 (40303490)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 温暖化対策 / 感情 / 室温 / 視覚刺激 / 聴覚刺激 |
研究実績の概要 |
本研究では視覚・聴覚要因等を活用した暮らし方が総合的快適感を向上させ,省エネルギー効果をもたらすことについて,新たな仮説を導入して深化させることを目的としている。インタビュー調査に関しては,単身者住宅20軒を対象としたインタビュー,温湿度測定,エネルギー消費量調査を夏期,冬期について完了した。エネルギー消費量は電気・ガスの検針票から使用量を読み取り,検針票がない場合は使用料金から使用量を換算した。今回は,食事や運動などを含めた健康に関する質問も増やした。環境配慮との関連性を考察している。 被験者実験については,感情状態によって,温冷感・寒暑の印象・涼暖の印象などと主観評価と温度条件との関係に視覚要因の提示が与える影響が異なるか否かを明らかにする目的で,2016年9月(夏期)の実験を行った。設定温度は,33℃と27℃の2条件,被験者(着衣量0.4clo)に視覚・聴覚要因を伴う景観を呈示し,評定用紙に記入を求めた。景観は海・森林・道路・市街地・風鈴の5つの視覚要因をそれぞれ静止画[V]・静止画+環境音[V+A]・動画(環境音あり)[M]の3つの方法で呈示したものに、基準状態[CC]呈示時を含めた計16種類とした。今回は,感情の誘導を行うのではなく,各視覚刺激の評価において感情状態を測定して,感情状態との関係を考察した。その結果,ポジティブ感情にある群はあ,そうでない群よりも,景観提示の影響をより顕著に受けることが認められた。 研究成果の一部は,2016年度の国際心理学会議(横浜),日本建築学会大会(福岡),また2017年度の人間・環境学会(大阪)でも1件の発表を行った。さらに,2017年度の日本建築学会大会(広島)でも発表を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献調査,被験者実験は,ほぼ予定通りに進んでいる。また,WEBアンケート調査に関しては,「ものと事柄」の分析は進んだが,「能動的行動」は分析中である。住宅の調査に関しては,計画以上に進んでいる。 住宅調査のインタビュー調査やWEB調査,被験者実験からえられた知見を基礎として,省エネルギーにつながると考えられる暮らし方を提案して実践してもらうモニター調査が,当初計画よりも遅れている。一方,住宅調査のうち,町家型住宅と現代型住宅の事例調査は完了しており,現在町家のさらに単身者住宅を追加の対象として調査を完了しており,計画よりも大幅に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
文献調査,被験者実験は,ほぼ予定通りに進んでいる。アンケート調査に関しては,過去に行った関連調査の分析を進めることにした。一方,住宅調査に関しては,町家型住宅と現代型住宅については,予定通り進展しており,さらに単身者住宅を追加の対象として調査を完了しており,計画よりも大幅に進んでいる。住宅居住者のモニター調査については,介入する内容等の検討に手間取っており,予定よりも少し遅れている。以上を総合すると,やや遅れていると評価できる。
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次年度使用額が生じた理由 |
モニター調査の実施が遅れているため
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次年度使用額の使用計画 |
遅れているモニター調査の実施のために使用する
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