研究実績の概要 |
本研究では視覚・聴覚要因等を活用した暮らし方が総合的快適感を向上させ,省エネルギー効果をもたらすことについて,新たな仮説を導入して深化させることを目的としている。 モニター調査Aの対象は 8戸の住宅の居住者24名で,調査期間は2017年10月ー2018年9月である。ヒアリング調査2017年12月と2018年12月、温湿度実測調査は2018年3月と8月に小型温湿度ロガーを使用して, 室温, 外気温, 室内湿度, 外気湿度を測定した。モニター調査Bは、近畿に住む単身者11名を対象とし、2018年7月ー2019年3月に調査を行った。また、温湿度実測調査は夏季は2018年9月、冬期は2019年2月に行った。ヒアリング調査は夏季を2019年3月21日~4月5日の期間で行った。 前年度に行ったWEB調査の分析結果として価値観と体質から5グループに分類しその差異を検討した。グループ2は「日常の生活、実感に余裕のある生活」に対して「癒される」「心地よい」と感じ、グループ3はテレビや動画の視聴を「自分の好きなことをしている」という理由で「楽しい」と回答していた。F、Hは入浴や料理を「癒される」「楽しい」と回答する点が特徴的である。各グループの暖房の仕方に特徴が見られ、エネルギー消費量にも影響する可能性が考えられた。 追加被験者実験は、2018年9月に男女大学生16人を対象として行った。冬季とあわせて分析した結果、感情状態は心理指標において室温や色彩の影響をより大きくする効果が示唆されたが, 平均皮膚温や耳内温など生理指標への影響は確認されなかった。現在、最終報告書の作成途中である。 研究成果の一部は,2018年度の日本建築学会大会(仙台)および人間―生活環境系学会(大阪) および人間・環境学会(東京)でも発表を行った。さらに,2019年度の日本建築学会大会(金沢)でも発表を行う予定である。
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