研究課題/領域番号 |
15K00759
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研究機関 | 大妻女子大学 |
研究代表者 |
團野 哲也 大妻女子大学, 家政学部, 教授 (80275437)
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研究分担者 |
増田 智恵 三重大学, 教育学部, 教授 (60132437)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 三次元ファッション / 着装シミュレーション / 三次元人体計測 / 感性評価 / タイトスカートの仮想自動作成システム |
研究実績の概要 |
(1)タイトスカートの仮想自動作成システムの構築とその特徴について検討した. 3次元人体計測した成人女子のうち18歳~83歳を対象に,3次元腰部体表面の2.5mm間隔の水平断面(WL~股高)3次元座標(1水平面180点)と,これに対応する3次元座標値を縦方向につなぐ断面を設定して,各凸点を結ぶテ-プメジャ-ライン面を自動形成し,仮想人台を造型し,個別対応の膝丈までの密着タイトスカートを立体裁断した.製作したタイトスカートの三角形メッシュの曲率を用いて,タイトスカートの左右の側部・後中央部・前中央部の4領域に分けて,曲面形状の高年齢層の特徴を検討した.4領域の曲率の主成分分析の結果,5つの主成分得点を用いてクラスタ分析を行い,6つのタイトスカート曲率形状のタイプに分類できた.人体形状から直接3次元衣服形状の特徴を抽出し,若年層と比較したやや高年齢層のクラスタのタイトスカート着装形状として,前中央部の楕円曲面のが大でウェストラインの凹曲形状が大であるが,後中央部の楕円曲面は小で,前後中央部での差のあること,また左右側部の楕円曲面のとウェストラインの凹曲がりが大きいことなどが明らかになった. (2)着装シミュレータを用いたフレアスカートの再現計算 すでに製作し三次元計測で実測データを収集してある,3世代,3種のフレアー量,6種類の布生地のフレアスカートについて,着装シミュレータi-Designerを用いて,実物と同様の型紙,実物の人台を三次元スキャンして得た仮想人台,ならびにKES測定に得られた布の引っ張り,曲げとうの物理物性を用いて,計算機上で再現計算を行った.この結果,人台,型紙をデジタル化する際に,フレアスカート特有の特異点が生じることが分かった.着想シミュレータの開発元と協議しながら,原因究明に当たっている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
フレアスカートの再現計算での特異点発生の原因究明に,予想以上に時間を要しており,再現計算の当初終了時期に比べて,やや遅れが生じている.しかしながら,特異点発生の原因究明が完了すれば,シミュレーションは早期に完了することが期待されている.
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今後の研究の推進方策 |
フレアスカートのシミュレーションを早期に完了した後,実測のフレアスカートの三次元位置情報との比較を行い,シミュレーションの精度と,問題点を抽出する. フレアスカートの三次元実測形状より幾何学的な特徴量を算出し,タイトスカートと同様,フレア量,人台の年齢などの間で相関を検討し,フレアスカートの自動生成システムを構築する.
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額のうち,35万円については,年度内に発注した三次元シミュレーション結果を実測の測定結果と比較検討するための,位置情報特定サブシステム開発購入費に充てた.しかしながら,年度内での納品検収に至らなかったため,未使用額として残っている.当該金額は,H28年度前期中には,サブシステムの納品,検収により執行を予定している. 次年度使用分の30万円については,フレアスカートの三次元シミュレーションにおける特異点の発生の原因究明と,対策について,ソフトウェアの開発元と協議が若干送れたため,未使用となった.
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次年度使用額の使用計画 |
35万円については,H28年度前期中に,執行の予定. その他については,遅くとも,H28年中には,開発元との協議の上,執行の予定.
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