研究課題/領域番号 |
15K00766
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
平田 京子 日本女子大学, 家政学部, 教授 (70228782)
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研究分担者 |
石川 孝重 日本女子大学, 家政学部, 教授 (20151342)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 防災教育 / 意思決定力強化 / 地域コミュニティ / アクティブラーニング / 主体的学習 / 地震防災 / 自助・共助・公助 / 体系化 |
研究実績の概要 |
将来の都市型大地震に対して、住民の十分な準備・発災後の迅速な復旧・復興が急務である。早期から防災スキルをもった市民を育成するため、学校防災教育で、地域コミュニティとの連携を図りながら、緊急時の意思決定力を養うための授業開発を行う。生徒の主体的学習と意思決定力の育成、地域を牽引するリーダーシップ情勢のための学習を強化し、生活者の立場から発想し、将来活躍できるリーダー・人材の育成を図る。 今年度に於ける研究計画通り、学校防災教育実践事例の収集・分析を積み重ねながら学習内容の体系化を図り、並行してアクティブラーニング形式の防災教育プログラムの開発を行った。学校での実践調査では、小学校における防災宿泊訓練時の防災教育プログラムを開発した。生徒が主体的に書き込みながら学習する手帳活用型の学習プログラムを利用し、その学習効果と学習後のデータを分析した。特に小学生の学習では、クイズやゲームを駆使した学習が効果的で、体を動かすことや声を出す内容を盛り込むことで興味深さを引き出しつつ、防災への関心を高めることができた。 また中学生に向けた教育プログラムの開発では、おとなとのグループ学習をするための課題分析を行った。また中学生間での討論の誘導を中心に考察し、意思決定に向けた話し合いができるようなプログラム開発を行った。これらの考察結果を教育プログラムに反映させて、実際に学校で導入していくことが平成29年度に予定されている。今年度までの研究成果は論文としてまとめたほか、日本建築学会で口頭発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度に実施した教育プログラムの内容が洗練され、生徒の学習効果を確認できた。さらにアクティブラーニング形式として、生徒の学習に対して添削するという対話形式を盛り込んだ。これらの実践調査、考察の結果は論文や口頭発表にまとめることができた。ただし予定していた経費の支出については、教育プログラムの開発が主のため小規模な支出で済んだため、来年度にまとめて支出を予定し、調査を大規模に行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究ではこれまで全国で行われてきたさまざまなすぐれた学校防災教育を俯瞰し、散発的に行われることが多かった教育内容を体系化することに特色がある。さらにそれらの成果から、生徒の発達段階に応じた学習目標・内容の設定を行うことができるようにした。これからはさまざまな教育内容を各学校が選ぶことができるようになる。 教育内容の体系化に進むことができたので、今後は実践例を充実することにしており、どのような内容で授業や教育内容を実施するかについて、考察を進める。これによってどのような将来の地域リーダーが育成されるのか、実践と検証を継続的に行い、その効果検証を経て3年間のまとめを行いたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度では教育内容の体系化と教育プログラム作成という、人件費と消耗品のみで済むような小規模な支出額で研究を実施できたため、全体的に支出額が少なくて済んだ。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度である次年度において、大規模な調査のための支出が見込まれている。また教育プログラム開発にともなう紙代やトナーなどの消耗品支出を次年度に繰り越したので、それらを使用する計画である。研究成果発表の費用支出も計画している。
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