研究課題/領域番号 |
15K00770
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
大東 延幸 広島工業大学, 工学部, 准教授 (60274130)
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研究分担者 |
松本 慎平 広島工業大学, 情報学部, 准教授 (30455183)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 高齢化と交通 / 交通に関する調査 / 交通行動の変化 / 交通意識の変化 / NPO法人 |
研究実績の概要 |
研究初年度は、今後の方針を固め調査と分析を進める基礎を確立する事が出来た。具体的には、1)本研究で対象となる住宅団地の資料・情報を収集し、その内外の交通に関する問題点を抽出を行い、意識調査を行う住宅団地を選定し調査の準備体制を固めることが出来た。 2)分析に関しては、交通弱者に対する対策の有効な方策について、数理解析手法を適用することで明らかにできた。現在の段階で将来起こりうる問題を想定し、問題の発生を抑えるようシステムにより誘導することを目的に分析を進めている。分析結果を報告する論文を執筆及び執筆中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1)既存資料文献の調査を行った。そこから住宅団地とその内外の交通に関する問題点を抽出することができた。 2)意識調査を行う住宅団地を選定し調査の準備を行っている。この際これまでに調査を行った住宅団地と異なった利用環境等をもつ施設が対象となるよう考慮する。また、前回2009年に行った結果との比較検証を円滑に進めることができるようにするため、データベースに基づくシステムを開発中である。 3)町内会への支援の依頼は、五日市商工会協力のもと、NPO法人を窓口に進める。Facebookでコミュニティグループを作成し、研究の取り組みを逐次発信しながら地域住民との協力体制を確立させる準備が出来た。 4)追加の意識調査の実施:上記に意識調査の検討の中で、高齢化・加齢に伴う交通行動全般に関する追加調査が必要という認識にいたった。そこで昨年度はプレサーベイとして、斜面住宅団地の二輪車利用者に関する交通意識調査を行い、一定の傾向を把握することができ、上記の本調査への知見が得られた。 5)調査結果の分析:分析の際には、交通弱者に対する対策の有効な方策について、数理解析手法を適用することで明らかにする。現在の段階で将来起こりうる問題を想定し、問題の発生を抑えるようシステムにより誘導することを目的に分析を進める。分析結果を報告する論文を執筆及び執筆中である。
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今後の研究の推進方策 |
意識調査のデータに基づき、交通状況が整備されていない場所の住民に対して移動交通を支援するための仕組みを提案すると共に、提案を実現するためのシステムのプロトタイプを開発することを目的とする。本研究で提案する仕組みとは、移動を予定している住民が、移動のついでに近隣の他の住民の移動に関する要望を叶えるばかりでなく、その対価の獲得を可能とするものである。移動に関する要望とは、一緒に連れ立って町に行くことや、町や住宅地から目的地までの荷物の運搬を依頼することなどが該当する。本研究では、以上のマッチングをWeb システムで実現することを考えている。提案システムは、住民同士が予定を合わせて、ある住民の乗用車に複数が同伴して移動することを支援するための乗り合いマッチングや、ある住民が行う移動のついでに荷物の移動を依頼する物流マッチングを行い、人や物に関わる移動の高効率化を目指すものである。また、地域住民同士が触れ合う機会を提供することができるため、提案システム利用を地域コミュニティ再生の契機として働かせることができると考えている。住民同士で移動予定を情報共有できるような機能や、移動中の住民の現在位置をリアルタイムに把握できるようにするための機能を提供する。これらにより、乗り合いによる街中心部などへの移動の機会を住民に提供することや、移動のついでの荷物の運搬の依頼・受諾を容易に可能とすることで、移動交通の支援を図ることを目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、初年次の調査はタブレット端末を使う予定であったが、紙ベースのアンケート調査に切り替え、その解析処理を為に既存PCのモニターを増設し、統計処理作業の効率化を図った。そのため、費用的には安価になり、当初予定した金額を使わなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
上記の初年次の調査方法の微変更により、解析作業の効率化と次年度以降のシステム開発のほうへ予算を振り向ける計画とする。
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