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2016 年度 実施状況報告書

「量産衣料のデジタル仮縫い工房」開発のためのベーシックパターンモデルの検討

研究課題

研究課題/領域番号 15K00772
研究機関大妻女子大学短期大学部

研究代表者

土肥 麻佐子  大妻女子大学短期大学部, 家政科, 准教授 (60553542)

研究分担者 角田 千枝  相模女子大学, 学芸学部, 講師 (50712337)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード人体の3次元形状 / 着衣モデル / 衣服パターン / パターンモデル / 人体計測 / 相同モデル / 既製服
研究実績の概要

これまでに試作した上半身の着衣モデルを2次元展開し、型紙操作の基本となる身頃部分のベーシックパターンモデルを作成するために以下の2点を検討した。
1. 着衣モデルの展開図を衣服パターンと仮定することの妥当性の検証
昨年度、展開図を衣服パターンと仮定して相同モデル化することで、パターン形状を定量的に解析できる可能性を確認した。今年度は展開図を衣服パターンと仮定することの妥当性を検証した。平均形状に近い形状のMサイズの着衣モデルを1/2サイズに、体型特徴が顕著な、バストサイズが大きい被験者、小さい被験者、いかり肩、なで肩、円背の被験者の着衣モデルを1/4サイズに縮小して3Dプリンタで実体化したボディを着用基体として用いた。それぞれの着衣モデルの2次元展開図に基づく衣服パターンをCADで試作し、ベーシックな形状の右半身用上衣を試作し、ボディに着装させて目視で適合性を観察した。いずれのボディにおいても、ボディと衣服の間に隙間が生じず、無理なくフィットすることが確認できた。袖底の設定方法、腋線の位置設定など解決する課題があるが、展開図を衣服パターンと仮定することは妥当と考えられる。
2. 人体の3次元形状より、直接着衣モデルを作成するためのランドマークの設定
上半身着衣モデルの展開図より衣服パターン相同モデルを作成するためのメッシュの作り方を検討する過程で、人体と衣服の関係を勘案して、人体上または人体周辺に衣服パターン相同モデルに必要なランドマークを設定することで、短時間で簡便に着衣モデルが生成できる可能性に気付いた。実現すれば、3次元形状から直接ベーシックパターンモデルが生成できると予想している。かつ衣服設計に直接利用できる滑らかな形状のメッシュを切ることもできるであろう。今後の研究の進展に重要と考え、当初の計画にはなかったが、着衣モデル生成用ランドマークの設定方法を検討中である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

今年度ベーシックパターンモデルの分類を行う予定であったが、研究実績の概要に記載したように、人体の3次元形状より、直接着衣モデルを作成するためのランドマークの設定を優先的に行うことにした。このため、やや遅れていると評価した。当初予定していなかった計画で時間を要するが、簡便に着衣モデルを試作することで、今後モデル数を増やして、比較的短時間にベーシックパターンモデルの分類を実施できると考えている。

今後の研究の推進方策

人体の3次元形状より、直接着衣モデルを作成するためのランドマークの設定を急ぎ、衣服設計に直接利用できるベーシックパターン相同モデルを作成することが一番の課題と考えている。最終年度の取組として、昨年追加計測した40歳代±2歳の女性被験者20名、すでに計測している20歳代の女性8名のベーシックパターンモデルも含めてベーシックパターンモデルの分類を行い、簡便に計測できる計測寸法から個人に近い形状のベーシックパターンの推定を行う仕組みを作るための基礎データを得る予定である。

次年度使用額が生じた理由

ベーシックパターンを類型化した上で、上半身着衣モデルを実物大の大きさで3Dプリンタで実体化し、ベーシックな形状の衣服を試作して適合性を調べる予定であったが、前述したように計画を変更した。今年度実施した展開図をベーシックモデルとみなすための検証には、すでに試作していた縮小版を使用した。また、衣服の縫製を外部に依頼する予定であったが、縮小サイズのものを手縫いで作成したため、次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

直接着衣モデルを作成するためのランドマークの設定用のプログラムの作成に費用を要する。次年度使用額は、プログラムの作成費用の一部および、ベーシックパターンモデルを類型化し、衣服を作成して適合度を検証するための費用の一部とし使用する予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2017 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 衣服設計用着衣モデル生成のための基礎研究 ー見頃モデルの検討ー2017

    • 著者名/発表者名
      土肥麻佐子
    • 雑誌名

      人間生活文化研究

      巻: 27 ページ: 26,32

    • DOI

      http://doi.org/10.9748/hcs.2017.26

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 体幹部凸閉包モデル展開図の妥当性の検証2017

    • 著者名/発表者名
      土肥麻佐子 角田千枝
    • 学会等名
      日本繊維製品消費科学会2017年度年次大会
    • 発表場所
      京都市 京都女子大学
    • 年月日
      2017-06-24 – 2017-06-25
  • [学会発表] 衣服や靴などの着装品の「安全性」と「快適さ・楽しさ・個性の表現」について2016

    • 著者名/発表者名
      土肥麻佐子
    • 学会等名
      品質と安全文化フォーラム 第91回SRMクロスオピニオンセミナー
    • 発表場所
      東京都千代田区 明治大学紫紺館
    • 年月日
      2016-09-23
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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