麺の茹で調理は長い調理時間と多量の熱エネルギーを必要とし、その低減が期待されている。本研究では、鍋内の流れが麺の水分移動、澱粉糊化に及ぼす影響を明かにし、水分移動を記述できる数学モデルを構築することを目指す。顕微鏡画像のRGBをL*a*b*へ変換するCVS法によって、澱粉の状態分布を明確に表せた。水分移動、糊化ともに流れによって促進されることが、MRI法とCVS法によって示された。熱・物質移動解析を行った結果、調理途上の水分移動は、麺表面から内部へと変化する澱粉の状態に応じた水分保持能力が支配要因であり、澱粉の保水能力と実際の含水率との比の勾配を駆動力とした数学モデルが適用できると言えた。
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