新規の特性を持つデンプンの開発と研究のため、イネの三つのデンプン枝作り酵素の発現を減少させたΔBEs/Wxa系統を開発した。その完熟種子の外観は白濁し、粉質性であった。種子割断面では丸く小さな澱粉粒が観察され、空隙が多かった。精製デンプンのX線回折パターンはB型パターンであった。ΔBE/Wxaデンプンの単位鎖長分布は短鎖・長鎖の分布が大きく減少し、重量分布の結果から見かけのアミロース含量は最大で65%以上にも及ぶ、これまでにない超高アミロースデンプンであった。また、真のアミロース含量は最大で47.7%であった。極めて細粒で形状も丸く、粉質であることから、極細粒の粉体としての利用が期待される。
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