ヤマブシタケが生産する凝乳酵素を用いて新規なチーズを開発する研究を行った。ヤマブシタケの酵素は低温殺菌乳のみならず超高温殺菌乳も凝固した。ヤマブシタケ酵素を用いて作製したカードの粘弾性は、レンネット由来カードの粘弾性よりも低かった。ホエイ成分分析の結果、ヤマブシタケの酵素はカッパーカゼインの切断に関与しないことが示唆された。国内で分離した8株のヤマブシタケの凝乳酵素には凝乳活性がみられ、超高温殺菌乳の凝固が5株の酵素に認められた。8株の凝乳酵素由来のチーズは黒コウジカビに対して抗菌性を示した。よってヤマブシタケが生産する凝乳酵素は新規なチーズ生産に有用であることが分かった。
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