近年増加傾向にあるヒスタミンに起因する食中毒はヒスタミンが熱に安定なために加熱調理で防ぐことができず、食品の流通・保蔵段階でヒスタミンの蓄積を防ぐことが重要である。本研究では、ヒスタミン産生の要因となる食品付着菌由来ヒスチジン脱炭酸酵素を阻害し魚肉中のヒスタミン産生を抑制する食用植物成分を探索した。その結果、メドウスウィート、ローズレッドペタル、クローブから強い酵素阻害活性する6種のエラジタンニンを同定した。活性成分の含有量から見積もって、これらの植物の熱水抽出液で魚を短時間浸漬処理することにより、ヒスタミン蓄積を抑制する可能性が示唆された。
|