研究課題/領域番号 |
15K00786
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
宮村 充彦 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 教授 (70464378)
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研究期間 (年度) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 嚥下機能 / 経皮吸収 / サブスタンスP |
研究実績の概要 |
昨年度のフランツ型拡散セルを用いた皮膚透過試験の結果より、本年度は油脂性基剤の白色ワセリンを基剤として選択し、ショウガ配合軟膏を研究に用いた。 ショウガ配合軟膏をヒトに対する臨床試験に使用する前に、塗布部位への刺激性を検討するため、10及び20%ショウガ配合軟膏の皮膚一次刺激性試験を実施した。その結果、20%ショウガ配合軟膏では、塗布後にはっきりとした紅斑が認められた。一方、10%ショウガ配合軟膏は軽微な紅斑がみとめられた。これらのことより、ヒトを対象とした臨床試験では、透過性および刺激性を考慮し、10%ショウガ配合軟膏を使用することとした。 ヒトを対象とした臨床試験(クロスオーバー試験)は、健常成人(20歳代および50歳代)を対象とし、評価項目は、軟膏塗布前及び塗布後1、2、4、8、12、24時間後の唾液中サブスタンスP(SP)量とした。本年度は10名(20歳代:5名、50歳代:5名)の被検者に対して臨床試験を実施した。その結果、20歳代、50歳代共に塗布後1時間後より、唾液中SP量がプラセボ軟膏に比べ有意に高値を示し、20歳代では塗布後8時間、50歳代では塗布後4時間後まで有意に高値を示した。さらにショウガ配合軟膏塗布時の唾液中SP量の半減期を算出したところ、20歳代では3.9時間、50歳代では6.1時間となった。これらのことより、ショウガ配合軟膏は、唾液中SP量を上昇させることにより、嚥下機能を塗布後1時間後から改善し、その効果は半減期より数時間持続するものと考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
臨床試験を行うにあたり、当初予定していなかったショウガ配合軟膏の皮膚刺激性について検討を追加して行ったため、臨床試験開始時期が遅れ、募集人数が予定より少なかった。 また、嚥下機能低下モデルマウスの作製に時間を要しており、メカニズムの評価が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
臨床試験は積極的に参加者の募集を行い、継続する。 メカニズムの評価については、高知大学医学部動物実験施設に協力していただき、安定した嚥下機能低下モデルマウスの作製に行い、メカニズムの解明を行っていく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していなかった皮膚一時刺激性試験を実施したため、臨床試験の開始が遅れ、募集人数に達しなかったため、臨床試験にかかる費用が余剰金となった。 また、動物実験によるメカニズムの解明はモデル動物の作製に時間を要しており、余剰金が発生した。
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次年度使用額の使用計画 |
引き続き、臨床試験への参加者を募集し、臨床試験を継続する。 動物実験によるメカニズムの解明は、高知大学医学部動物実験施設の協力していただき、安定した嚥下機能低下モデルマウスを作製し、メカニズムの解明を行っていく。
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