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2017 年度 実績報告書

国内産大麦粉の基礎特性および各種大麦食品における材料設計と膨化性との相関解明

研究課題

研究課題/領域番号 15K00795
研究機関東京家政大学

研究代表者

小林 理恵 (粟津原)  東京家政大学, 家政学部, 准教授 (00342014)

研究分担者 榎本 俊樹  石川県立大学, 生物資源環境学部, 教授 (70203643)
橋詰 奈々世  金沢学院短期大学, 食物栄養学科, 助教 (30737705)
研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2018-03-31
キーワード大麦粉 / 膨化性 / シュー / 蒸しパン
研究実績の概要

本年度は,大麦粉用いた物理的膨化(大麦粉シュー)及び化学的膨化(大麦粉蒸しパン)に比重を置いて検討した.
シューの空洞膨化は生地中に存在する気泡を核として発生した水蒸気の圧力によって生地が押し展げられる現象である。そのため,水蒸気を逃がしにくい粘性のある均質な生地に調製することが望ましい.アミログラフ測定の結果から,大麦粉は小麦粉よりも糊化温度が低く,粘度も4倍程度高かった。大麦粉の粘性の発現にはβ-グルカンと,デンプンの粘度の増大が関与すると推察される。このβ-グルカンは高い保水力を有し水蒸気の発生を抑制すると予測して,初期焼成温度を20℃高く設定したところ,有意な比容積の増大が起こり,小麦粉シューと同程度に膨化した。また,第一加熱後の生地のデンプン及び油脂の分散状態を顕微鏡観察すると,いずれも均一分散しており,デンプン粒は小麦粉と形状が類似していた。粘性が高くても生地内の油脂とデンプン粒の分散が悪い他種の雑穀粉シューでは,膨化性が極めて劣ることから,大麦粉シューの膨化には,高い粘性よりも小麦粉に類似した均質な生地であることが膨化に寄与すると推察した。これらの成果の一部は,学術雑誌にて報告した。
大麦粉蒸しパンについては、起泡卵白の包含気量と膨化体積との相関性を追究した。起泡の有無にかかわらず,大麦粉蒸しパンは小麦粉蒸しパンに比べて膨化性に劣っていた。しかし,大麦粉蒸しパンにおいては,オーバーラン(包含気量)150 %の起泡卵白を混合することで最も膨化性が向上した。オーバーラン150%以上とすると,蒸しパンの組織は粗く凹凸がある膨化形状となった。また,オーバーラン150%以下では密な組織であるが破断応力値の高い蒸しパンとなった。このことから,起泡卵白の混合は大麦粉蒸しパンの膨化性を向上させるものの,これには適したオーバーランがあることを明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 雑穀粉の基礎特性をふまえた天ぷら衣用バッターの調製条件2018

    • 著者名/発表者名
      谷口明日香,丸山里菜,京極奈美,木村(渡辺)裕子,長尾慶子,小林理恵
    • 雑誌名

      日本家政学会誌

      巻: 69 ページ: 217-224

    • DOI

      https://doi.org/10.11428/jhej.69.217

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 雑穀糖化液添加がパンの品質および嗜好特性に及ぼす影響2017

    • 著者名/発表者名
      橋詰奈々世, 小林理恵, 岩田惠美子, 土田幸一, 榎本俊樹
    • 雑誌名

      日本家政学会誌

      巻: 68 ページ: 402-412

    • DOI

      https://doi.org/10.11428/jhej.68.402

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 大麦粉パンの性状に及ぼす加水量及び各種増粘多糖類添加の影響2017

    • 著者名/発表者名
      小林理恵, 小更かおる, 原沙友子, 橋詰奈々世, 榎本俊樹
    • 学会等名
      日本調理科学会 平成29年度大会
  • [学会発表] 雑穀粉シューの膨化に及ぼすデンプン粒径及びその分散状態2017

    • 著者名/発表者名
      橋詰奈々世、磯邊瞳、榎本俊樹、小林理恵
    • 学会等名
      日本食生活学会 第55回大会

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公開日: 2018-12-17  

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