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2016 年度 実施状況報告書

食品のおいしさ評価を目指した味覚・嗅覚計測システムの創製と感性情報データとの融合

研究課題

研究課題/領域番号 15K00806
研究機関北海道科学大学

研究代表者

小島 洋一郎  北海道科学大学, 工学部, 教授 (50300504)

研究期間 (年度) 2015-04-01 – 2019-03-31
キーワードおいしさ / 味覚 / 視覚 / センサ / データ / 多変量解析
研究実績の概要

食品製造企業において,自社製品の品質評価や,他社製品との差別化を検討することは大変重要である。特に食品のおいしさは,各メーカー独自の官能検査により評価されている。しかし,この官能評価法は個人の主観や嗜好が少なからず反映され,科学的な根拠としての取扱いが非常に困難とされている。また,検査を行うパネラーの確保や育成に多くの時間を要するなど,解決すべき課題が数多く残されている。
これらの状況から,製造した食品を客観的に分類・数値化する方法の確立が急速に求められている。本研究では,比較的廉価で従来から企業において利用されることの多い理化学機器を複数用い,得られた測定データを統計的に処理するシステムの構築を行った。これにより,官能検査の代替,もしくは,パネラーをサポートする情報に利活用できれば,安定した評価へ繋がりパネラーの負担軽減が邁進すると考えられる。本年度は,このシステムにより嗜好飲料である市販紅茶の分類を検討した。
本実験では,市販されている3社のペットボトル紅茶を用いた。サンプルの紅茶は,タイプの違う11種(無糖,ストレート,レモン,アップル,ミルク)とした。これらの実験より,ミルクティー系,左上にフレーバーティー系,左下に添加物の比較的少ない無糖とストレートの紅茶と3つのグループに分類出来た。この結果は添加物の有無によるものとわかる。例えば,乳脂肪分の有無や,糖質の含有量の違いで分類のされ方に大きく影響が出ると考えられる。

以上のように廉価な理化学機器を多数用いて,嗜好飲料である紅茶を測定し,統計的情報処理手法を施すことで迅速・簡易に分類出来ることを示唆できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

昨年度の実験では,日本料理では、コンプでだしを取った後に、かつおのだしと混ぜ合わせることが多くある。これはうま味に相乗効果があるためである。この効果を定性的に分類することが出来た。
本年度は,紅茶飲料にターゲットを絞り実験を行ったが,添加物の違いにより明確な差異を見出すことが出来た。これらのように多種多様な成分を含有する食品の理化学的データをリスト化する作業が順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

昨年度までのデータをもとに多変量解析やニューラルネットワーク等の機械学習により評価を行う予定である.

次年度使用額が生じた理由

予備実験の段階で安価に対応できる手法が見いだされたため,計画の変更を行った.

次年度使用額の使用計画

今年度は新たな手法による実験のスケジュールを構築し,計画的な経費の使用につとめる.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017 2016

すべて 学会発表 (8件)

  • [学会発表] 統計的数値解析法を用いた北海道産調味料の試 作・評価2017

    • 著者名/発表者名
      横谷彩花,小島洋一郎,岩波俊介,清水祐一
    • 学会等名
      第22回高専シンポジウムin Mie
    • 発表場所
      鳥羽商船高等専門学校
    • 年月日
      2017-01-28
  • [学会発表] 味覚を代替する食品識別用センサシステムの開発2017

    • 著者名/発表者名
      小島洋一郎,山口和美,岩波俊介,村本充,三上剛,大橋智志
    • 学会等名
      第22回高専シンポジウムin Mie
    • 発表場所
      鳥羽商船高等専門学校
    • 年月日
      2017-01-28
  • [学会発表] 階層分析法(AHP)による缶飲料デザインの嗜好評価に関する基礎研究2016

    • 著者名/発表者名
      小島洋一郎,大橋智志,三上剛,岩波俊介,一戸善弘,矢神雅規,横山徹,北間正崇,三澤顕次
    • 学会等名
      第18回日本感性工学会大会
    • 発表場所
      日本女子大学 目白キャンパス
    • 年月日
      2016-09-09
  • [学会発表] 赤紫系果実の機能性を維持した酢発酵条件の検討2016

    • 著者名/発表者名
      岩山大介,岩波俊介,石川勇人,小島洋一郎
    • 学会等名
      日本食品工学会第17回年次大会
    • 発表場所
      東京海洋大学 品川キャンパス
    • 年月日
      2016-08-04
  • [学会発表] 異種センサ群とマルチモーダ情報処理の融合による風味調料のおいしさ評価2016

    • 著者名/発表者名
      渡邉駿,小島洋一郎,岩波俊介,一戸善弘,矢神雅規,横山徹,北間正崇,三澤顕次
    • 学会等名
      日本食品工学会第17回年次大会
    • 発表場所
      東京海洋大学 品川キャンパス
    • 年月日
      2016-08-04
  • [学会発表] センシングデータと階層型意思決定法(AHP)を活用した紅茶飲料の識別2016

    • 著者名/発表者名
      小島洋一郎,大橋智志,三上剛,岩波俊介,一戸善弘,矢神雅規,横山徹,北間正崇,三澤顕次
    • 学会等名
      日本食品工学会第17回年次大会
    • 発表場所
      東京海洋大学 品川キャンパス
    • 年月日
      2016-08-04
  • [学会発表] Discrimination of Various Beverages Using Taste Sensing System2016

    • 著者名/発表者名
      Yohichiro Kojima
    • 学会等名
      The 16th International Meeting on Chemical Sensors
    • 発表場所
      Ramada Plaza Jeju, Jeju Island, Korea
    • 年月日
      2016-07-10
  • [学会発表] Development of taste sensing system2016

    • 著者名/発表者名
      Yohichiro Kojima
    • 学会等名
      17th International Symposium on Olfaction and Taste (ISOT2016)
    • 発表場所
      PACIFICO Yokohama, Yokohama, Japan
    • 年月日
      2016-06-05

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公開日: 2019-12-27  

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