本研究は、予防することが重要な認知症を、日常摂取する食品によりエピジェネティクス、特にヒストンのアセチル化修飾を制御することで予防する可能性を探るものである。本研究では、認知症における神経細胞死の主な原因となる小胞体ストレスや酸化ストレスを抑制する食品成分が、ヒストン脱アセチル化酵素(Hdac)にどの様に影響し、また、どの様な細胞内機構を介して神経細胞を保護するのか検討を行った。その結果、いくつかの食品含有成分にHdac活性制御作用と神経保護作用、さらにミトコンドリア増強作用があることを見出した。本研究成果は、新しい認知症予防食品の開発につながるものと考えられる。
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